Chloé Autumn-Winter 2022 Collection 自然環境保護の守護聖人であるアッシジの聖フランチェスコの半生が描かれた映画から着想

Chloé(クロエ)2022年秋冬コレクションの審美的なテーマは、自然環境保護の守護聖人であるアッシジの聖フランチェスコの半生を描いたFranco Zeffirelli(フランコ・ゼフィレッリ)監督の映画『Brother Son, Sister Moon(ブラザー・サン シスター・ムーン)』(1973)に着想を得ている。シルエットは、フラウンスやスカラップディテールのショルダー、大きく開いたネックライン、様々なボリューム感のパフスリーブ、ニットのステー、繊細なシームワークといったディテールを組み合わせることで、ゆったりとリラックスしたシェイプに強調されたウエストラインを生み出している。バイカートレンチ、レザーアンサンブル、ブレストプレートが、ロングスリーブのトップスとパンツにチュニックをレイヤードしたモナスティックでシンプルなルックに、コントラストをもたらしている。メゾンの伝統的なコードとそれらを受け継ぎ歩んできた道のりに立ち返り、さらに発展させていく。スエードのパネルをクロシェ編みで繋ぎ合わせたアイテムが登場し、ダウンジャケットとカシミヤのポンチョを組み合わせたパフチョが、今シーズンはブルーとレッドのグラデーションのニットで復活。引き続きファブリックの開発も続き、一見シアリングのような風合いのコートやベストは、カシミヤで製作され、ウールのドレスおよびスーツは、まるでジョーゼットのように軽くなっている。セラミックのボタンは、カラー粘土を練り合わせて渦巻きのような模様を実現する、練り上げの技法によって手作業で完成される。本コレクションは、アクセサリーの新作として、リサイクル素材のソールを用いたハイキングブーツや、クロエが2022年春夏コレクションで発表した環境負荷の少ないスニーカーNamaの新作が、アーシーなカラーで登場。レザーバッグは、レザーのホイップステッチが施され、Edithバッグは、際立つ流線美が目を惹く。ルックは、ロケットペンダントやシグネットリングといったジュエリーで完成され、セラミックをサンゴやホーンのシェイプに細工したタリスマンやアミュレットが登場。ジュエリー、アクセサリー、レディ・トゥ・ウェアの多くは、アメジストやラブラドライト(曹灰長石)、赤碧玉、ロドナイト(バラ輝石)などの天然石を装飾にしている。クロエの2022年秋冬コレクションでクリエイティブ・ディレクターのGabriela Hearst(ガブリエラ・ハースト)は、クリエイティブプロセスの組み立て方に新たなアプローチを取り入れ、各シーズンの審美的なテーマの追求と共に、数ある気候変動問題の中のある取り組みに注力していく。クロエは、”Rewilding for AW22”と題し、自然界が本来の形で自己保存していけるよう保護を行う先進的アプローチに取り組んでいる。自然界が自ら傷ついた生態系を修復し、破壊された環境を回復させていけるようにすることで、最終的に自然本来のリズムが、より生物多様性に富んだ生息環境を育むようになる。気候変動がどのようなものかということを十分に分かってきている今、ハーストは、気候を正常に戻すためには、女性がもっと取り組みのリーダーとなって、目に見えるようにしていかなければならないと考えている。この考え方を最もよく映し出すのが、”AW22 Climate Success”と題したピース。これらのピースは、気候変動問題における成功をビジュアル化した景色と対比させる形で、気候の悲劇(森林火災、溶けゆく氷河、干ばつ)を捉えた景色を描き出している。これらのイメージは、プリントやリサイクル カシミヤを用いたインターシャニットのレディ・トゥ・ウェア、およびハンドペイントのアクセサリーに登場。これらClimate Successのピースは、Conservation International(コンサベーション・インターナショナル)が開始した、先住民の女性たちの自治と、自分たちの領地とアマゾン流域の森林を守る取り組みにおけるリーダーシップをサポートするプログラム”Indigenous Women Fellowship”を賛助している。これは、メゾンがもたらす社会的・環境的影響を改善しようと、クロエが2022年秋冬シーズンに始めたパートナーシップの1つ。



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