おいしいものと、手仕事を訪ねて。秋の福井・坂井市で見つけた、とっておきの時間。by 菅野照子

白いそばの花が、秋の坂井市を彩る。

山々に囲まれたのどかな風景のなか、そば畑や田園を眺めていると、都会の喧騒を離れた心地よい時間が流れていきます。

 

そんな坂井市で出会ったのは、土地に根付いた食や酒、そして職人たちのものづくり。

名物の油揚げを味わい、全国のそば好きを魅了する本場のそば文化に触れ、酒蔵で地酒をいただき、リボン工場へ。

食べて、呑んで、つくる。
その土地の日常に少しだけ入り込む、秋の坂井市を旅しました。

 

 

『谷口屋』100年続く、福井名物「竹田の油揚げ」を味わう

□谷口屋( https://taniguchiya.co.jp/ )
[Address] 福井県坂井市丸岡町上竹田37-26-1  [TEL] 0776-67-2202

福井県は油揚げ・がんもどきの消費金額が全国でもトップクラスで、日常の食卓に油揚げが根付いている土地。なかでも谷口屋の油揚げは、福井を代表する名物のひとつです。

一枚一枚、時間をかけて揚げられる「竹田の油揚げ」。

店内に漂う香ばしい香りに、食べる前から期待が高まります。

実は私自身、高級スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」で見かけると、つい買ってしまうほど好きな油揚げ。

そんなお気に入りを、今回は本店で揚げたていただきます。

こんがりと香ばしく揚がった大きな油揚げは、外はカリッと、中はふんわり。

厚みのある一枚を頬張ると、油揚げが主役になる理由がわかります。

 

この厚み、伝わりますか?

普段食べている油揚げとは、まるで別もの。

もともと好きだったけれど、揚げたてはやっぱり格別。

まずはそのまま、次は味変を。

ほんのり甘みのある越前塩と、油揚げのためにつくられた越前しょうゆがお気に入り。

そして、さっぱり楽しむなら大根おろしは必須。

揚げたてのおいしさを、最後まで飽きずに楽しめます。

 

これは絶対買い。

揚げたてのおいしさを知ってしまったら、家でも食べたくなる。

旅のお土産に、竹田の油揚げをお持ち帰り。

 

 

お土産には、ご当地キャラ「坂井ほや丸」も。

坂井市の名物や特産品をモチーフにした、なんとも愛くるしいキャラクター。

その表情とフォルムに、思わず連れて帰りたくなってしまいます。

実は「坂井ほや丸」、ご当地キャラのランキングで上位にランクインしたこともある人気者。

油揚げと一緒に、坂井市の思い出をもうひとつ。

 

 

そばの里で、名人の手仕事を見学

丸岡ではそばが身近な存在。

そば好きの人なら、この地域ではそばを打てる人も多いのだとか。

今回そば打ちを披露してくれたのも、職人ではなく、地域でそば打ちを楽しむ「素人そば打ち名人」4段の永谷 彰啓(ながたに あきひろ)さん。

「素人」とはいえ、その腕前は本格的。

そばを「食べる」だけではなく、「自分たちで打つ」ことまで生活の中にある。

 

そんなところにも、坂井市のそば文化の深さを感じました。

そば粉と水を、丁寧にひとつに。

「蕎麦 水まわし10年、のし3年、切り3日」

そんな昔からの職人言葉があるほど、そば打ちは奥深いもの。

工程ごとに技術が求められることを知ると、普段何気なく食べている一枚のそばも、少し違って見えてきます。

細く、均一に。最後は「切り」の技術。

 

リズミカルに包丁を動かしながら、そばが次々と細く切り分けられていく。

見ていると簡単そうなのに、実際にやってみたら絶対に難しい……。

一面のそばの花を眺め、そばが育つ土地を知り、そしてそのそばを打つ人の手元を見る。

坂井市でそばを知るほど、最後に食べる一杯がますます楽しみになってきました。

 

 

蔵を訪ねて、福井の地酒を味わう。

□久保田酒造( https://www.fukukoma.co.jp/ )
[Address] 福井県坂井市丸岡町山久保27-45  [TEL] 0776-66-0123

酒造りの話を聞いたあとにいただく一杯は、また格別。

さまざまなお酒を試しながら、お気に入りを探すのも酒蔵見学の楽しみです。

 

270年以上続く、酒造りの現場へ。

長い歴史を持つ久保田酒造。酒造りに欠かせない麹や水、米へのこだわりを知ると、一杯の日本酒ができるまでの背景にも興味が湧いてきます。

 

日本酒の味わいを左右する、お米の話。

日本酒造りに欠かせない酒米。久保田酒造では自社栽培の米を使い、地元の水とともに酒を醸しています。

原料へのこだわりを知ることで、いつもの日本酒も違った視点で楽しめそうです。

久保田酒造を代表する銘柄は「富久駒 (ふくこま)」と「鬼作左(おにさくざ)」。

地元の米や水を大切にする酒造りへの思いも、蔵を訪れるからこそ聞けるお話です。

試飲で見つけたお気に入りは、梅のお酒。

日本酒だけでなく、果実を使ったリキュールも造る久保田酒造。

いろいろ試飲するなかで、私が気に入ったのは梅のお酒でした。

フランスで開催される「フェミナリーズ世界ワインコンクール」で金賞を受賞したこともあるのだそう。

おいしかったので、今度のホームパーティー用に購入!

旅先で出会った味を、家でも楽しめるのがうれしい。

 

 

約60年前の機械が、今もリボンを織り続ける

□EIGHT RIBBON / RIBBON’S CAFE( eightribbon.jp )
[Address] 福井県坂井市丸岡町堀水13-8  [TEL] 0776-66-3550

坂井市でものづくりの現場を見学するために訪れたのは、リボン製造を手がける「エイトリボン」。

伝統的な機械と技法を受け継ぎ、チロルリボンを織る、国内最大級のジャカードリボン工場です。

工場では、長年使われてきた機械が今も現役で活躍。

糸を準備し、複雑な模様を織り上げていく工程を見学すると、普段は洋服や小物の一部として何気なく目にしているリボンにも、確かな技術と手仕事が息づいていることがわかります。

リボンの設計図となる「紋紙(もんがみ)」は、企業秘密なのだそう。

ものづくりの工夫が詰まった現場を見学し、ひとつの製品が生まれるまでの奥深さを感じました。

 

工場見学のあとは、緑を眺めるカフェ時間

エイトリボンにはカフェも併設。窓の向こうに広がる緑を眺めながら、ひと休みできます。

いただいたのは、5種類の白ぶどうをブレンドしたジュース。

ワイン好きの私も、その豊かな味わいにすっかり魅了されました。

店内にはレコードプレイヤーもあり、ゆったりとした雰囲気。

ものづくりの現場を知ったあとに、できあがった製品の新しい楽しみ方に触れられるのも、ここを訪れる魅力のひとつです。

 

 

坂井市の旅の締めくくりは、福井名物を一度に味わう

坂井市の旅を締めくくる夕食は、丸岡町の「大宮亭」へ。

地元・丸岡産のそば粉を100%使用し、店内の石臼で毎日挽く自家製粉の二八そばが評判のお店です。

 

実は「おいしいそば都道府県」で全国トップを走り続ける福井ですが、なかでも丸岡のそばは全国のそば通から愛される逸品。

□大宮亭( www.oomiyatei.com )
[Address] 福井県坂井市丸岡町里丸岡3-10  [TEL] 0776-66-8787

いただいたのは、海老天のせのおろしそばに、ソースカツ丼。

福井が誇る二大名物が揃う最高のセットは、ぜひとも味わっていただきたい逸品です。

大根おろしでさっぱりと味わうそばに、サクッとした海老天、そして福井名物のソースカツ丼まで、名物をちょっとずつ欲張るひとときは、まさに旅の締めくくりにぴったり。

店内の石臼で毎日挽く、自家製粉へのこだわり。

そばの花が咲く風景を眺め、そば打ちの手仕事を見学した一日の最後に、地元のそばを味わう。

丸岡のそば文化に触れてきたからこそ、締めくくりの一杯も、より印象深いものになりました。

 

 

その土地の日常に触れる、坂井市の旅

食べて、呑んで、つくる。

名物の油揚げに、香り豊かなそば、土地の米と水から生まれる地酒。そして、昔ながらの機械を使い、丁寧にリボンをつくる人たち。

 

坂井市を巡って出会ったのは、観光名所だけでは知ることのできない、この土地に根付いた食文化やものづくりの風景でした。

人々の暮らしに少しだけ触れることで、旅先の景色も、味わったものも、より深く心に残る気がします。

また違う季節に訪れたら、きっと新しい魅力に出会えるはず。

次は、蟹がおいしい季節に。そんな楽しみを残しながら、福井をあとにしました。

 

 

2026.10.27 / POST by 菅野照子(PR)



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