編集長Enaの"今、あの人に会いたい!" ジュエリーブランド「TSUBUZ(ツブズ)」森田紗世さんが自然や世界の訪れた場所をインスピレーションに展開する"重ねづけして着けたいジュエリー" ナチュラルに反射する光の重ねづけの魅力に迫ります

編集長Enaの”今、あの人に会いたい!”コーナー。今回はジュエリーブランド「TSUBUZ(ツブズ)」を立ち上げたばかりのSayo Morita(森田紗世)さんと語ります。ロンドン芸術大学 セントラル・セイント・マーチンズ校を卒業し、ファッションブランドでPRなどの経験を積み、現在はクリエイティブ制作を行う傍ら、創作表現方法の1つとしてTSUBUZを展開するSayoさん。ブランド名の意味そのものでもある、ツブ=光の粒、自然の中でも光る、ナチュラルストーンの光の粒に惹かれるTSUBUZ(ツブズ)のジュエリー。自然や世界の訪れた場所をインスピレーションに、ミニマル且つユニセックスなスタイルに落とし込んだ”重ねづけして着けたいジュエリー”は、選ぶ人やその日の気分、その人のスタイルで生まれるという新たな発見も。TSUBUZの提案する、ナチュラルに反射する光の重ねづけの魅力に迫ります。

Ena(E):これまではブランドPRやディレクションをメインに活動してきたと思うんだけど、「TSUBUZ」を立ち上げたきっかけは?

Sayo(S):自分の中では急なことではなくて、コロナ禍になる1、2年前から何か作ったり描いたりしたいなと思ってたんだよね。
コロナ禍になって、自分のオタク魂が戻ってきたというか(笑)、お家時間で自分と向き合う時間が持てて、根本にある自分らしさを改めて見つめ直したのもきっかけだったと思う。
これまでもPRという立場から派生的に何かを創作してきたけど、自分だけで何かを生み出すという意味での創作もずっとやりたくて、タイミングもあって始めたって感じかな。

E:ステイホームは意識が変わるきっかけでもあったよね。

S:うん、ちょっと本来の自分が蘇ったっていうのかな。
もちろん、東京と海外を行き来したり、人とたくさん会ってめまぐるしく過ごしていた日々も大好きだったんだけど、いざ立ち止まってみるとこれまで見えていなかったことが見えてきたような感じ。

E:Sayoは学生時代にロンドンでアートを学んだり、小さい頃から絵を描くのが好きだったんだよね。そういうベースの部分って今のモノづくりにも繋がっていたりする?

S:何かを作ったり描いたりするのが好きなのは2歳くらいから。
親とスーパーに行くと、落ちているレシートを拾って、ポケットにいつも入れていた鉛筆で精肉売り場のお肉を一生懸命デッサンするような子どもだったんだって(笑)だから誰に教えられるわけでもなく、生まれつきそういうことが好きなんだと思う。

E:なるほどね。

S:幼稚園から工作や絵画クラスにも通って楽しんでたんだけど、小学生から始めた書道で賞をたくさん頂くようになって。
私の中で、書道と絵画って筆と鉛筆を使うこともあってお友達って感じだったのね。そこから筆もすごく好きで、今も日本画やイラストがミックスされた絵を描いたりしてる。
そういう創作活動と石が小さな頃から好きだったから、その好きを形にしたいなって漠然と思っていて、それがこのタイミングだった。

E:石が好きになったきっかけって何だったの?

S:この石、私が5、6歳の時に学校の帰り道で拾ったものなんだけど、透明感があって綺麗でしょう?
見つけた時、「なんかこの石良いなぁ」って一瞬で魅かれちゃった。そこから石を見ると心が澄む感覚になったり、天然の石が持つ光や色が発する癒しのパワーってすごいなって感じるようになった。ずっと石の魅力に魅かれ続けていたから、何か創作したいと思った時、プラスチックで素敵な色のものを生み出すよりは、石を使って何かを作ろうと思ったのよ。
もしもジュエリーに飽きちゃったことがあったとしても、石だったらリデザインもできるし、生き返る場所があるかなと思ってる。

E:石は持ち続けられるから、次の世代に受け継いでもいけるしね。

S: ヨーロッパでも「これ、おばあちゃんからもらったの!」っていう子たくさんいるんだよ。たくさんアクセサリーを買って、飽きたら捨ててっていうサイクルより、できる限り長く使ってもらって何かの時に受け継いでもらったり、どんどん形を変えて生きていけるといいなって思ってる。

E:TSUBUZのジュエリーの石がクラシックなカットだったりするのにも意味があるのかな?

S:他のジュエリーと重ねづけできるように、っていうのは意識してるかな。

E:ジュエリーで重ねづけをする感覚って、まだ日本人では少ないような気もするんだけど、レイヤードを楽しんでほしいっていうのはSayoの中ではベーシックなことだったの?その入り口ってある?

S:なるほど~、私の中では重ねづけって当たり前の文化だったから、ちょっと真面目に考えてみる(笑)
うーん、確かにヨーロッパでは、レイヤードスタイルを楽しんでいる人やジュエリーに意味を持ってつけている人に出会うことが多かったかもしれない。全部の指に指輪をつけていても、上品な感じ。「これはお母さんにもらって、こっちはおばあさん。これはオーダーメイドでこれは恋人ので…」って説明してくれる人が多くてすごく素敵だなと思った。
ジュエリーと人生が繋がってるんだなって感じた。

E:うん。

S:日々のジュエリーが自分自身の生き方にコネクトしていたり、思い入れがあるものを長く使って、気づいたら増えていっちゃった!みたいな意味での重ねづけって素敵だなって思ったんだよね。

E:ジュエリーのつけ方ってその人らしさも出るよね。
一つ一つのジュエリーにその人の背景やストーリーが感じられて、それが全体としてその人自身の魅力として感じられることがあるのかも。そういう風に感じるきっかけがSayoの10代にはあったんだろうね。

S:確かに。言われてみてはじめて気づいたかも。
重ねづけするにしても、さりげなくエレガントに、そして上品にっていうのも重要だと思ってる。

 

S:私さ、流行っているから着る、とか賛同できなくて、ちゃんと自分が良いなと思うものを好きでいたい。男女共にカッコイイなって思う人は、その人の要素が分かるスタイルを貫いている人。
例えばロンドンだと本当のパンクの人がいるんだけど、単純にパンク風ファッションだけをマネするのってそれはその人のスタイルじゃないから違和感に感じる。

E:私は学校が音響科だったから、ロック、パンク、渋谷系って感じでみんなそれぞれの服装と音楽で面白かったよ。
音楽のルーツがあって、その表現の一つとしてそのファッションを楽しんでいるっていうのが好きだった。そういう部分もSayoらしいブランドコンセプトに繋がってるのかもしれないね。

S:TSUBUZだけでも重ねづけを楽しめるけど、今まで大切にしてきたアクセサリーとも一緒につけてほしいって気持ちでデザインしているから、様々なルーツの人達にも合わせやすいと思う。
つけてみるとわかるけど、カチッとした服装でもゆるっとしてても意外と合うの。ユニセックスも意識してるし。

E:同じアイテムでも人によってつけ方が変わるし、好みもその人らしさの現れ。他の人を見て「こういうつけ方もあるんだ!」って発見があるのも楽しいよね。

S:そうだね、そこまで感じてもらえると超嬉しい(笑)
綺麗なお姉さんがつけてもラッパーの子がつけてもヒッピーの子がつけてもみんなに馴染むと思うんだ。
私がロンドンにいたことで一番影響を受けているなと思うのは、“多文化”の概念。日本は島国だからカルチャー的には似ている人たちが多いでしょ?でもロンドンで電車に乗ったら、一つの車両に、インド人、ドイツ人、フランス人、ラスタ、アジアン、ブリティッシュが乗り合わせているっていうのが当たり前だった。車両っていう狭い空間にも多種多様の文化とファッションと香りが集まる国なんだよ。
通っていた大学にも50ヵ国くらいの学生がいたし、ジェンダーも様々。それでも、一個でまとまる国なんだよね。それが当たり前すぎちゃって。

E:色んな人がいることが当たり前ってことだよね。

S:そう、その人たち全員にこのジュエリーは合うと思う。

E:確かに。
ユニセックスやジェンダーレスっていう概念は、ファッション業界や音楽業界では以前からナチュラルなことだったけど、日本でもようやくベーシックになりつつあるね。

 

E:私がSayoの作るジュエリーを見て思ったのは、ジェンダーや年齢関係なく、ファッションを楽しむって、結局自分の好きなものを身につけるっていうとこが大切なんだってこと。

S:うんうん。

E:ジュエリーって直接的に肌に身につけるものだからこそ、気負わずに自分のライフスタイルに合わせてチョイスできるものなんだよなって。
TSUBUZのジュエリーは、Sayoがこれまで過ごしてきた背景が影響していて、だからこそSayoが感じたことがデザインに落とし込まれている部分なのかなって感じた。

S:そうだと思う。言われてわかる。言葉にして説明してっていうより感覚で手が動いていっちゃう。
一つ一つが主張したアイテムっていうことじゃないんだよね。でもありそうでないっていうか…、なんかもう何だろうね。結局自由よ(笑)

E:頑張って自分が好きなものを探すっていうより、これをどうつけたら今の自分の気分かなっていうのを楽しめるというか。
そこに新しい発見があるような、面白さを感じる。

S:友達にも個性的な子がたくさんいるんだけど、これから色んな人が色んなつけ方をしてくれるのをどんどん見れるのが楽しみ。
Enaちゃんのその合わせ方もめっちゃ良い!いっぱいつけてもイヤらしくないでしょ。品は本当に重要だもんね。

E:ファッションが派手でも品がある人って、年齢性別問わず、カッコ良いよね!

S:あとさっきの話に戻るけど、自分が好きなものがわかっていて流行りに振り回されなかったりね。

E:うんうん、流行りは乗っかるんじゃなくて取り入れるものだと思うんだよね。自分の好きなスタイルがしっかりとあって、そこに流行りをセレクトして着用したいアイテムをチョイスする感じ。
若い時は一回流行りに振り回されて自分の好きなスタイルを見つけるっていうのもありかもしれないけど、大人になるとちょっとね(笑)

S:自分のスタイルを持っていたり、好きな音楽やモノが明確な人ってその人自身に味も出てくると思う。
何を身につけていてもその人になるし、そういうジュエリーでありたいなと思う。

E:私よく使う言葉なんだけど、ジュエリーって相棒探しだと思う。
一回好きになったらずっとつけちゃうから、もうマイパートナーなのよ。

S:どのくらいつける?私もめちゃくちゃ長い間つけるんだけど。

E:一回気に入ると何年も変わらない。そうやって自分の相棒をどんどん探していってるつもり。
新しいアイテムに心惹かれたら、さらに重ねるとか、自分の持っているジュエリーにこうやって合わせたら可愛いかなっていう作業を繰り返してる。そういう意味でもTSUBUZはセレクトしやすいと思う!年齢やジェンダ―関係なく。

S:そこまで感じてもらえたら私は心安らぐ(笑)

E:若い子たちにも失敗を恐れずに自分のスタイルをジュエリーで見つける作業を楽しんでほしいなって思う。
お洋服だけではない、自分らしさを表現できる大事なポイントだよね。

S:ほんとそうよ。
いいなって思うスタイルはそれぞれが見つけられたらいいよね。
あと単純に、石って綺麗じゃない?お家でも外でも、ふっと天然石を見た時に、数分遊べると思う。

E:自分で自分の気持ちをあげてくれる感じね。
ステイホームでもジュエリーはつけて過ごしてみようとかね。

S:ロンドンに住んでる大親友の子がTSUBUZのグリーンオニキスのネックレスを購入してくれたのよ。
毎日つけてくれてて「胸元に一つこのジュエリーがあるだけで自分に寄り添ってくれている感じがする」って言われてすごく嬉しかった。
自分にとっても石ってそういう存在だし、日常にちょっとした光って大事だと思う。
仕事の合間に淹れたハーブティーみたいに、心の拠り所としてつけてもらえたら嬉しい。

 

E:環境の部分もモノづくりをする上で重要度は高い?

S:すごく高いね。環境に関してはここ数年でかなり意識を高くしているつもり。
まずTSUBUZのジュエリーは、郵送の時にプラスチックは絶対に使わないようにしてる。オリジナルの巾着はつけるけど、あとはリサイクル可能な素材で安心安全にお届けするスタイル。環境問題全体からしたらささやかなことかもしれないけど、そこは考えた末にそうしてる。

E:大切なことだよね。

S:あと、一気に大量生産もしない。
ブランドを立ち上げたばかりというのもあるけど、大量生産の結果、ゴミを出し過ぎるという事実からは目を背けられない。
大好きな海や森を訪れた時に、「何でここにゴミがあるの?」って自分事のように悲しい気持ちになるし、ファッション業界でも最近は隠すことなく「これだけのものを廃棄として燃やしました」って公表しているじゃない?

E:モノづくりをしていく上で切っても切れない問題よね。

S:このスタンスは守り抜きたいと思ってる。
あと、今って注文した商品が翌日届くっていうことが当たり前の時代になってるんだけど、それが当然でいいのかなって思いもあって。
「明日出かけるからTSUBUZのジュエリーつけたい!だから早く欲しい!」と思ってもらえるのも嬉しいんだけど、やっぱり「ちゃんと作るので数日間ください!」っていう気持ち。

E:そうだね。

S:環境面で言うと最近プラスチックの袋がスーパーで有料になったけど、海外の人からしたら袋もらえることがびっくりなんだよね。
友達が日本に来たら「すごいプラスチックの量だね、この国」って言われる。

E:過剰包装もね。日本人の感覚では丁寧な包装が良しとなってるけど、海外サイトでオーダーした商品みたいにもうちょっと簡易包装にしてもいいのかなと思う。お買い物も紙袋でも充分。出来ればマイバッグね(笑)

S:そうそう、そういう選択だよね。日本は近年コロナや自然災害の影響もあって、スローライフって言葉が注目されたり、地方に引っ越す人もフィーチャーされるようになってきた。
スーパーですぐ買える野菜じゃなくて、手間はかかるけど自分でできる範囲で野菜を作って、それを食べるというようなスタンスの人達は責任感があるなって思う。私は全部じゃないけれど出来るだけ生産者がわかる有機の野菜を頼んだり選んだりしてる。
大量に生産するということの裏の背景や真実を知ってしまうと、「持続可能なことはここでは行われてないんだ」と認識するね。

 

E:私も以前は毎日取材で外に出ていたけど、コロナ禍になって「本当に自分がそこに行きたいのか、それを見たいのか、読者に伝えたいのか」を冷静に考えるようになった。
結局、私自身が「見たいもの、伝えたいものだけ見ればいいのかな」って思うようになってきてる。それは媒体としてどうなのかって所もあるんだけど(笑)自分のメンタルや身体を消耗してでも出かけることが仕事だし当然と思ってきたんだけど、物理的に外出できないことになって、行きたい場所や会いたい人がすごく整理されてきた。もっと自分のために時間を使おうとかもね。
好きなことを仕事にしてきたのに、「自分って本当は何が好きだったかな?」って考えるような時間だったかもしれない。

S:研ぎ澄まされていくんだろうね。自分の中で好きなものやことが整理されたと思う。
都会のスピーディーな時間の中で生活していると気づかなかったことが多かったんだろうな。

E:誰かに対しての服じゃなくて、自分の気持ちが華やかになる服を着たいなって改めて思ったしね。
家でもジュエリーもつけたりして、過ごし方が変わってきた。自分の気持ちを高揚させてくれるジュエリーやファッションって大事。

S:その根底って「自分を大切にしてあげる」ってことだと思うんだよね。どんなに忙しくてもどんな状況でも。
一人でお家にいて誰にも会わなくても、自分を大切にすることで心は常に満たされていたいよね。仕事や家事とかしている中で、ちょっとお茶しよう、窓の外見ようって言う気分転換みたいな気持ちにTSUBUZのジュエリーが寄り添ってくれるかなって思う。

E:最後になるけど、TSUBUZのジュエリーを身につけることで感じてもらいたいことってある?

S:身につけている人はもちろん、そのジュエリーを目にした人にも光を感じてもらえたら良いなって思ってる。
人に寄り添える、光を与えるジュエリーでありたいし、そういう存在になれたら。言葉で説明するのって難しいね。つけてくれたらわかると思う。自然な石のキラキラって光の反射を見て、心が澄んでワクワクするような感じと、寄り添ってくれているような安心感。
TSUBUZのジュエリーを身につけてくれた人それぞれが何かを感じてもらえると嬉しいな。

 

 

Ena着用アイテム / シルバーチェーンM ネックレスグリーン ゴールド チェーン ネックレスブルーロンドン シルバーチェーンSSS ネックレスシルバーチェーンSS ロングネックレスシルバーチェーンL フープピアスロングチェーン オパール ピアス

 

Sayo着用アイテム /クリアスカイ ゴールドチェーン ネックレスゴールドチェーン ネックレスフィガロ ゴールドチェーン ネックレスロングチェーン オパール ピアス

 

 

design:Sayo Morita
photography:Kiyotaka Hatanaka (UM)
direction and styling:Akira Maruyama
hair:Mikio Aizawa

 

■TSUBUZ(ツブズ)

https://www.tsubuz.com/ Instagram @tsubuz_jewellery