まち歩きや特別公開を通じて、建築の新たな魅⼒に出会えるイベント「2025年京都モダン建築祭」「2025年神⼾建築祭 in 舞⼦・垂⽔・塩屋」開催 京都と神⼾で体感する建築がつなぐ過去と未来のストーリー

⽂化庁が主催する「LinkArchiScape ―建築ツーリズムをつなぐ―」との特別連携展⽰を実施。全国各地で広がる建築祭のネットワークとともに、「建築をめぐる旅」の新たな形を提案する。11月1日(土)から9日(日)まで開催の「2025年京都モダン建築祭」と、11月30日(日)開催の「2025年神⼾建築祭 in 舞⼦・垂⽔・塩屋」は、まち歩きや特別公開を通じて、建築の新たな魅⼒に出会えるイベントとして、建築を”観る”だけでなく、”感じる”ための祭典となっている。
「2025年京都モダン建築祭」では、通常は⾮公開の近代建築や、普段は⾃由に出⼊りできない名建築が、パスポートひとつで⾃由に⾒学することができる。邸宅、銀⾏、学校、教会から現代建築、国宝まで、多様な建築が⼀⻫に扉を開く。ルートも楽しみ⽅もあなた次第。興味関⼼のおもむくままに、モダン建築の京都を⾃在に楽しむことができる。建築の⾒学以外にも、モダン建築関連の飲⾷店や書店等でのサービスやノベルティ進呈など、さまざまな特典を受けることができる。
神⼾モダン建築祭は、このたび「神⼾建築祭」として新たに⽣まれ変わった。神⼾⻄エリア最⼤の建造物である『明⽯海峡⼤橋』もラインナップに加わり、これまで⼤切にしてきたモダン建築に加え、港町神⼾の歴史や震災の記憶を受け継ぐ建築、六甲⼭を切り拓き、海へと進出してきたドボクの歩み、そして新しい時代をつくる建築など、神⼾ならではの多彩な魅⼒を体感できる、より⼤きな建築の祭典へと進化した。対象となる建築を⾒学できるパスポートチケット購⼊が必要となっている。建築の⾒学以外にもパスポート提⽰で、様々な特典が受けら、パスポート公開建築では、建築の専⾨家が、独⾃の視点で熱く語りかけるオーディオガイドも用意されている。来年5⽉の本祭に向けて、神⼾の歴史を建築を通して⼀⾜先に感じることができる機会となっている。

五⿓閣(旧松⾵嘉定邸):”関⻄近代建築の⽗”と称される建築家・武⽥五⼀が⼿がけた洋館建築。もともと和館・洋館併設型邸宅の洋館部に当たり、製陶業を営む松⾵嘉定の邸宅として⼤正10(1921)年に建てられた。塔屋を備えた独特の外観は和洋折衷の美を体現し、内部は部屋ごとに異なる意匠やステンドグラスで飾られたアーチ窓など⼤正ロマンあふれる空間が広がっている。

祇園甲部歌舞練場:京都・祇園の象徴ともいえる祇園甲部歌舞練場。花⾒⼩路の南にあり、祇園甲部の芸妓・舞妓の技芸発表の場として、京都に春を告げる⾵物詩「都をどり」や秋の「温習会」が⾏われる。⼊⺟屋造の主体部に唐破⾵の⾞寄を接続した⽞関から、重厚な趣の本館・別館・正⾨・⼋坂倶楽部まで。伝統性と近代性を併せもった空間が現代の最新技術によって継承されている。

京都府⽴図書館:関⻄近代建築の⽗・武⽥五⼀の設計により、1909年に開館した京都府⽴図書館。1995年の阪神淡路⼤震災で⼤きな被害を受け、2001年に外壁保存の形で改築。外壁の⼀部として現存する貴重な往時の階段は通常⽴⼊禁⽌となっているが、建築祭のパスポート公開でこの外階段への⽴ち⼊りが実現。改築時から⼤切に保管されてきた家具の特別展⽰も⾏われる。

国⽴京都国際会館:1966年竣⼯の国⽴京都国際会館は、⽇本の戦後建築を代表する⽇本初の国⽴の国際会議場。設計を担ったのは建築家・⼤⾕幸夫。台形・逆台形の空間の組み合わせで形づくられ、合掌造りか神社の社殿を彷彿とさせるような⽇本の伝統様式をモチーフとした独創的な造形となっている。⽐叡⼭を背景にした宝ヶ池にまるで宇宙船のようにそびえる異貌の⼤建築。

旧村井銀⾏七条⽀店:明治のたばこ王・村井吉兵衛が創業した村井銀⾏七条⽀店として1914年に建築された煉⽡造2階建ての建物。ギリシャ神殿を思わせるデザインで、ドリス式の円柱やその上の梁が建物の⼤きさに⽐して太く、より重厚な雰囲気が漂っている。内部には、
⾦庫室やその扉、上部のペディメント、階段などにオリジナルの意匠が遺されている。

舞⼦海上プロムナード:明⽯海峡⼤橋の神⼾側にある舞⼦海上プロムナードは、1998年開設の海上にせり出す全⻑約317メートルの回遊式遊歩道。海⾯約47メートルの⾼さから明⽯海峡の絶景を楽しむことができる。1階は橋の構造や歴史を紹介する展⽰、8階展望ラウンジでは展望カメラやガラス床など海上の仕掛けが体験できる。

旧後藤邸:塩屋の町でひときわ存在感を放っている⾚と⿊の三⾓屋根の旧後藤邸。⼤正中期に貿易商・武⽥常次郎邸宅として建てられ、昭和29年に兵庫⽇野⾃動⾞の創業者である後藤末⼆の邸宅となった。設計したのは、初代通天閣や旧⻄尾邸(神⼾迎賓館)を⼿掛けた「セセッション」の名⼿・設楽貞雄で、洋館部分はその特徴がよく表れている。⼀般に広く公開されるのは今回が初めて。

旧武藤⼭治邸:鐘紡(カネボウ)の中興の祖として”紡績王”と称された武藤⼭治が、明治40年に舞⼦海岸に建てたコロニアル様式の⻄洋館(登
録有形⽂化財)。設計は、のちに国会議事堂など多くの官公庁建築を主導した⼤熊喜邦によるもの。平成19年に兵庫県に寄贈され、その後修復⼯事を経て、現在の場所に移築された。ステンドグラスや暖炉、家具調度品などの内装は当時のまま。

孫文記念館(移情閣):孫⽂記念館(移情閣)の⼋⾓三層楼閣は、⼤正初期に中国⼈実業家・呉錦堂が建てた別荘を復原移築した建物。1913年に孫⽂が来⽇した際、呉⽒らとともに歓迎会を⾏ったゆかりの地で、⽇本唯⼀の孫⽂顕彰施設でもある。移情閣は最初期のコンクリートブロックを⽤いた建築で、その構法や技術を伝える遺構としても重要。国の重要⽂化財に指定された。

旧⽊下家住宅:旧⽊下家住宅は、昭和16年に築かれた数寄屋造の邸宅で、国の登録有形⽂化財に指定されている。技巧を凝らした意匠が随
所に⾒られるとともに、洋室部分にはアールデコ調のデザインが施されて独特の雰囲気を醸し出している。震災以降失われつつある和⾵住宅の姿を今に残し、前庭・中庭の四季のうつろいと舞⼦公園の緑が調和する景観は、往時の記憶を映し出している。
■「2025年京都モダン建築祭」「2025年神⼾建築祭 in 舞⼦・垂⽔・塩屋」
2025年京都モダン建築祭:2025年11月1日(土)~9日(日)開催 / エリア:北⼭・松ヶ崎★、中京、京都駅・七条、北⼤路、⾐笠・北野、⻄陣、御所⻄、御所東、吉⽥・北⽩川★、岡崎、東⼭、河原町・五条、他 ※★は新規エリア ※観覧できる建築物は購⼊チケットの種類により異なります。/ 主催:京都モダン建築祭実⾏委員会 / 公式サイト:https://kyoto.kenchikusai.jp/
神⼾建築祭 in 舞⼦・垂⽔・塩屋(⼀部須磨):11月30日(日)開催 ※神⼾建築祭本祭は2026年5⽉開催 ※ガイドツアーは11⽉28⽇(⾦)にも実施 / エリア:舞⼦・垂⽔・塩屋(⼀部須磨) ※ガイドツアーは須磨区でも実施 / 主催:神⼾建築祭実⾏委員会 / 公式サイト:https://kobe2025.kenchikusai.jp/