中村馨章による個展『Cyborg Butterfly: Threshold』が6月5日よりホワイトストーンギャラリー銀座新館にて開催 静けさと鮮やかさが同居する独自の世界

6月5日(金)から27日(土)までの期間、中村馨章(なかむら・よしあき)による個展『Cyborg Butterfly: Threshold』を、4回目となるホワイトストーンギャラリー銀座新館にて開催。また、6月20日(土)には、障害やケアの視点から「人間の身体のあり方」や「見ること・感じること」を研究する美学者の伊藤亜紗氏との対談も予定している。
幼少期から難聴を抱え、2000年には一度完全失聴した中村は、2012年に人工内耳を装用したことで、世界の見え方や感じ方が大きく変化した。自身の身体感覚や、他者とのコミュニケーションのあり方を見つめながら制作を続ける中村の作品は、静けさと鮮やかさが同居する独自の世界を生み出している。本展では、「Cyborg Butterfly」と「Threshold」という2つのシリーズを発表。
「Cyborg Butterfly」は、「異なる感覚間の対話の可能性」の探求を、絵画表現からさらに発展させたもの。全作品に骨伝導スピーカーが内蔵されている。描かれた蝶の一部に触れることで立ち現れるのは、視覚的な残響としての「音」。人工内耳の装用によって作家自身が経験した感覚の変容を、視覚・聴覚・触覚を通じて実感できる作品群となっている。一方、「Threshold」は、観る者の内省を促し、音の視覚化を喚起する参加型インスタレーション。作品の形式よりも、観る者との関係性や相互作用を重視。リレーショナル・アートをさらに拡張させる試み。日本画に音響要素を採り入れ、自らの作品を介在させることで、未知の「知覚」と「コミュニケーション」の閾値を問う中村馨章。通底するのは「身体の変容」、「音と沈黙」、そして「日本の美意識」。 予定不調和な知覚の在り様と微量なゆらぎ、その境界が拓かれていく過程を、体感することができる。

Cyborg Butterfly 4:60.6×50.0cm / アクリル絵の具・和紙・銀箔・染料・本朱・銅線・ホログラムパウダー・カーボンファイバー・骨伝導スピーカー・蛍光塗料

Cyborg Butterfly 2:27.2×22.0cm / アクリル絵の具・和紙・銀箔・染料・本朱・銅線・ホログラムパウダー・カーボンファイバー・骨伝導スピーカー・蛍光塗料

Cyborg Butterfly 3:27.2×22.0cm / アクリル絵の具・和紙・銀箔・染料・本朱・銅線・ホログラムパウダー・カーボンファイバー・骨伝導スピーカー・蛍光塗料

中村馨章:中村は2015年に東京藝術大学日本画博士後期課程、2020年には米国メリーランド・インステチュート・カレッジ・オブ・アートの大学院を修了した。中村は人々の間に存在する聴覚と視覚に関わる音とコミュニケーションにおける接点や限界を探求し、初期の日本画から、自己と他者の間を隔てている境界線を無意識に暗示させてきた。この世界は聴覚障碍者としての静かな世界の様相を反映している。また2012年12月より右耳に人工内耳を装用したことにより、音声、視覚、および時間の知覚には大きな変化があり、現在の作品の色彩と空間感覚、また言語感覚、コミュニケーションにおいて強い影響を与えている。
■中村馨章『Cyborg Butterfly: Threshold』
2026年6月5日(金)~27日(土)ホワイトストーンギャラリー銀座新館にて開催 / 東京都中央区銀座6-4-16 / 11:00~19:00 / 休館日:日曜・月曜
トーク・イヴェント:6月20日(土)15:00~ / 登壇者:中村馨章(アーティスト)、伊藤亜紗(美学者) / 参加費:無料 / 定員:20名 / お問い合わせはこちら:cs@whitestonegallery.jp
https://www.whitestone-gallery.com/ja/blogs/gallery-exhibitions/tyo-n-yoshiaki-nakamura-062026