ERDEM Spring Summer 2024 Collection 故デボンシャー公爵夫⼈デボラとチャッツ ワース・ハウスとの関係を通して、遺産、建造物、そしてアイデンティティの物語を考察

ERDEM(アーデム)2024年春夏コレクション。世代から世代へ引き継がれるものは多くの場合、運命よりも⼈の決意によって決定される。本コレクションは、故デボンシャー公爵夫⼈デボラ、そして彼⼥とチャッツワース・ハウスとの関係を通して、遺産、建造物、そしてアイデンティティの物語を考察した。ERDEMは、国家元⾸からさまざまな世界で活躍する⼈たちに親しまれていたデボ(デボラの愛称)のアーカイブを⾒せてもらう機会を得た。キャヴェンディッシュ家の協⼒と、チャッツワースのアーキビスト、そしてデボの私設秘書だったヘレン・マーチャントと緊密に協⼒しながら、このコレクションは、デボのワードローブからインスピレーションを得ただけでなく、彼⼥の精神とビジョンを具現化したもの。チャッツワースの未来の礎を築いたデボの献⾝には、驚くべき、そして⽬を⾒張るものがあった。同じような規模の邸宅が、⽐喩的にも⽂字通りの意味でも崩壊していく中で、デボは、その強い決意と温かな⼈柄で、チャッツワースの繁栄と存続を確かなものにした。彼⼥のチャッツワースは、王侯貴族、⼀国の⼤統領や芸術家、さらには農⺠をもてなし、反抗的ともいえる独⽴⼼が彼⼥のアプローチを⽀えていた。デボは、20世紀における歴史的邸宅のあり⽅を再定義したことで称賛されているが、それはチャッツワースが彼⼥を定義したわけではない。彼⼥には、受け継いだ家以外にも農業、ニワトリ、エルビスにも熱烈な情熱があった。気取らない彼⼥は、セシル・ビートンのもとでクチュールを着こなすのも、Babourで庭や敷地を踏みしめるのも、同じくらい⼼地よかった。チャッツワースが栄えたときでさえ、彼⼥は贅沢をするよりも、やりくりして繕うことを厳格に守った。そのチャッツワースのアンティーク・テキスタイルは、ERDEMに譲り渡され、今回⽣地をつなぎ合わせてドレスやコートのライニングなどが作らた。解体されたガウン、チャッツワース・ハウスのカーテンの端切れは、デボの曾孫娘でもあるセシリー・ラスネの⼿刺繍がなされている。礼儀正しさに無⾃覚で、現実主義に威厳を持つデボは、英国のエキセントリックの中でも奇妙なほど頑健で、気まぐれではなく、素直な⼈柄だった。ERDEMのコレクションにはこのエネルギーが凝縮され、その共⽣的な関係を映し出している。断⽚と記憶がつなぎ合わされ、⼈と家の間を踊るようなムードを作り出す。チャッツワースは今⽇も繁栄している。このコレクションはオマージュというよりも、過去と未来、チャッツワースの遺産に対するデボの独特な愛情に、それは義務を超えた情熱に突き動かされたひとりの⼈間は、強⼒な⼒を持つことができるという事実にインスパイアされている。

■ERDEM

https://erdem.com/



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