LANVIN SPRING 2023 MEN’S AND WOMEN’S COLLECTION クチュールの感動とランバンの記憶を呼び起こす、手品のような作品

ブルーノ・シアレッリによるLANVIN(ランバン)2023年スプリングコレクションは、クチュールの感動とランバンの記憶を呼び起こす、手品のような作品。本コレクションは、手仕事とオーガニック、人間性と自然のマリアージュを称えている。ジャンヌ・ランバンのレガシーとイデオロギーを受け継ぎ、新たに解釈されたハイオーガニックで、そしてオートクラフトなもの。白いコットンシャツ、テーラード、繊細なドレスなど、春から直接インスピレーションを得た服は、官能的で直接的そして純粋で、暖かい日の着こなしの原型と言える。それぞれの作品の中で、未加工のものと洗練されたもの、完全に未完成のものが織り交ぜられている。ウールガザールのテーラリングは、男性と女性のために完璧に作られつつも、切りっぱなしの裾で終わる、正確さと随意的な行為が組み合わされたもの。完璧にカットされたコットンシャツは、ウエストでスライスされ、解き放たれ、ディテールが軽やかになり、高級感が増している。プリント、刺繍、エンボス加工など、春らしく花々があしらわれており、パリのクチュールメゾンのサヴォアフェールによって、控えめな素材や伝統的な技術が昇華されている。マクラメは上質なシルクのソウタシエで作られ、刺繍が施され、ロングドレスやアンダーピニングに使用されている。ランジェリーを連想させる繊細なリブ編みのジャージーニットや、テーラードのストライプの裏地が、男性用の独立した衣服に変化している。クチュールとは気遣いの行為であり、ここには優しさがある。オーガンザのクロッケは刺繍の上に重ねたり、あるいは体を包んだりする保護膜のように使用されており、マテリアルは感覚を探求している。仕上げはグロスやプードル、レザー、イールスキン、ボンデッドコットン、シルクチュールなど、全てが触れて感じることを重視したもの。そして感じることには、愛、幸せ、笑いなどの感情も含まれている。水着を思い起こさせる一連のニットがある。これまで同様、ランバンのアーカイブとジャンヌ・ランバンの豊かな創造の世界がインスピレーションを与えてくれる。ナイーブでグラフィックなパターンは、アーカイブにある紳士用ネクタイから抽出され、ラジミールにプリントされ、ショート丈のドレスやスカートに使用されている。18世紀のシルエットをもつランバンの1920年代のローブ・ド・スタイルは、繊細で軽やかなプリーツシルクシフォンで描かれていおり、ゴッサマーシルクのチュールを使ったドレープドレスは、1930年代のランバンのゴッデスガウンを彷彿とさせる。クチュールの魂であるヒューマンタッチは、アクセサリーにも受け継がれており、ハンドバッグ”コンチェルト”にブリュットの金具が加わった。レザーを折り畳んだ新しいポーチスタイルで、手彫りのような留め具が組み合わされている。質感のあるメタルのミノディエールは、太陽の下で溶けるアイスキューブのよう。また素朴な透かし細工のバッグは、ハンドメイドのマクラメや美しい刺繍で仕上げられ、クチュールの域に達している。靴はJヒール、サンダル、パンプスで、時にはフェザーをあしらったリュディックなスタイルも。メンズはクラシックなオックスフォードシューズで、エンボス加工やハンドペイントで花が描かれているものもある。手結びの結び目に似せて作られたクリスタルラインストーンの”メロディ”ジュエリーがある。クチュールの厳格さと感情の衝動の相互作用、過去を尊重するジャスチャーを備えた今日の姿勢。シンプルな喜び、純粋な喜びを表現している。



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