AKANE UTSUNOMIYA 2023 Spring/Summer Collection 主に写真家ロバート・メープルソープの財団に集約される広域にわたる作品群の中から直感的に選んだ写真をもとに紡ぎ出す

AKANE UTSUNOMIYA(アカネ ウツノミヤ)2023年春夏コレクション。主に写真家ロバート・メープルソープの財団「TheRobertMapplethorpeFoundation」に集約される広域にわたる作品群の中から直感的に選んだ写真をもとに、コレクションを紡ぎ出した。先シーズンから雑続する、メーブルソープの作品を起点にはじまったコレクション制作。年代やジャンル、手法など、選ばれた写真は一見規則性がないように感じるが、大きく括れば、「フェティシュ」、「花」、「コラージュ」というキーワードが浮かび上がる。デザイナー蓮井茜はそれらに共通する「対象物を構図として捉えるメーブルソープのアプローチ」に若眼し、服作りへと転換。写真から受け取る要素をディテールとして凝縮しながら、素材やデザインを探求することでAKANE UTSUNOMIYAらしいスタイルへと融合した。例えば、今シーズンを象徴するフラワープリントは、長年にわたり蓮井とタッグを組む、ギリシャ人テキスタイルデザイナーKLAUSがソープの鲜明な描き方とは対照的に、ポピーをポップに描き出したもの。ブランドがオリジナルで開発したリンクルプリーツのガーゼコットンにのり、ワンピースやバンツ、ロングスカートなど様々なスタイルに形を変え、ルックを彩っている。コラージュ作品の「Untitled,(1967)」からKLAUSがデザインした、ブランド初となるAUモチーフのモノグラムプリントも同じく、象徴的なワンピースやクラシックシャツとしてお目見えする。また、有機的な波と戯れるようにドットが現れるユニークなパターンのキャミソールニットは、ダルメシアンの写真から生まれたもの。超長綿と海島綿をミックスした糸で編み上げられた上質さと、遊び心が同居したブランドらしい一品となっている。パターンだけではなく、素材のバリエーションにもソープの写真は影響を与えている。オバール加工により有機的なリズムを加えたシルクウールのツービースには、優しい色合いのホワイトベージュの生地が重なり合い、肌色をそっと引き立てている。また一見、レザーのように見えるベストとワンショルダースカートは、ラミネート加工を施し洗いをかけた素材で、フェティッシュなムードを漂いながらも軽やかな心地。ルックでは年代や国籍の異なる2人の女性が、同じアイテムを使った異なるスタイリングで現れている。アクセントとなるのは、ブランド初となるレザーベルト。無骨なシルバーの金具に厚めのレザーで作られたメンズライクなペルトの褐色が、セビアやフィルムのような懐かしくも柔らかなカラーパレットに違和感を残し、新鮮な調和へと導いている。



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