KWAIDAN EDITIONS Autumn-Winter 2021 Collection -The Psychic House II “精神の住処 II”– Dressing for Pleasure(快楽の為の洋服)の一歩先は一体何なのか

KWAIDAN EDITIONS(カイダン エディションズ)2021秋冬コレクション-The Psychic House II “精神の住処 II”–。家具は動き散らかり、壁紙は剥がれ落ちて木目が剝き出しになっている–ただ、半年前に私たちが見たKWAIDAN EDITIONSウーマンは、未だ彼女の“Phychic House”に住んでいる。前シーズンからの続編となったコレクションとなった今シーズン、彼女はこのサイキックな空間の空いたスペースや空室を、彼女の欲望を埋めるように家具で彩った。クリエイティブ・ディレクターのLea Dickleyは、再び視点を彼女自身のクリエーションに合わせ、再帰したヒロインを27ルックで表現。各々の部屋が特有のトーンとエモーションを持つKWAIDAN EDITIONSのインテリアの世界観:そこには一体、何が変わった?木製の廊下と、ビニールで覆われたソファは、人の接触を拒むように守られている。シネマティックなタイムループに囚われながら、彼女は様々なペルソナを暴くように部屋をさまよう:家庭から逃げようとしている”十代の女性”、整然と彼女のファンタジーを演出するラテックスに身を包んだアサシン、この何も保証されない世界で彼女自身を守るものとして何が肌に触れて心地いいかを考え抜いている女性。デザイナーは、イギリス人アーティストのRachel Whiteread-目に見えにくく見落としがちな空間を半透明のスカルプチャーで具現化する彼女との共鳴を求めるように、ラテックスをアーティスティックな媒体として、キャラクターそのものに成型している。この女性は、肌との境が分からなくなる程に、ラテックスで彼女自身を包んでいる。彼女は、まるでベトベトしたワックスか黒いインクのプールに浸かったかのように、ラテックスのタイツやコートと融合し、彼女自身の世界から存在が一瞬消失している。彼女は、他の誰かの肌を纏った、さっきまでの自分自身の亡霊そのもの。人間らしい温もりを模倣する為、彼女はいくつかの部屋では暖かく、みずみずしく、柔らかい物を肌に付けている。彼女は、家の中でのあらゆる快適さを身体に纏うように、ブランケットのようなコート、キルトドレス、家具用イスの張り布を使用したパデッドスカートとシャツを着用している。彼女は、デザイナーが全て手描きした4種類の鮮やかなイエロー真紅の花柄プリント、加えて彼女の幼少期を追憶した出すティーピンクやバニラベージュといったアイスクリームカラーに身を包んでいる。ただ、彼女の服をまじまじと見つめると、色はギラギラときつくなり、手描きのプリントは圧倒するように迫ってくる。絡み合った手の温もりや頬のかすり傷が、丸まったポロやブランケットコート、そしてラテックスに取って代わられた今、Dressing for Pleasure(快楽の為の洋服)の一歩先は一体何なのか。私たちは、孤独からどうのように脱するのだろう。

■KWAIDAN EDITIONS

http://kwaidaneditions.com



CONTENTS