【旅するように暮らす人】二拠点生活から新たな自分スタイルを見出だす「片桐すずり(モデル・書家)」東京と長野での過ごし方、創作へ向き合う時間の変化
モデルとしてのキャリアに、表現者として書家という新たな自分を見出した片桐すずり(モデル・書家 / @suzuri_katagiri)さん。子供達に向けたWORKSHOPや八芳園での即興パフォーマンス書道・海外の人に向けた日本文化、書道に触れてもらうWORKSHOPなど、書家としても勢力的に活動している。
コロナ禍からは、東京と長野での二拠点生活を送り、創作の幅を広げる彼女。今回は、東京で過ごす時間とはまた違った長野での時間がもたらす影響、そして気持ちの変化、長野での生活を追いながら、書家としての彼女の目線、そして今後の活動に向けた想いを聞いてみた。
Q:まず、モデルから自分の肩書として書家をプラスする事になった経緯を教えてください。
書家としての活動とはどんなこと?
書道は小学校1年から中学校3年生までやっていたんですけど、9年ぐらい前に再スタートしました。
再スタートしたきっかけとしては、モデルの仕事をしていて、仕事が忙しい時期と暇な時期の波があるんですが、仕事の波が落ち着いているタイミングで何かできないかな。と考えた時に小さい頃から何やかんや続いていた習い事が”書道”だったことを思い出して、すごく気軽に”書道やろう。”と思ったんです。”書道やろう。”と思ったら吉日。次の日が、たまたま子供のころに通っていたお教室がやっている曜日だったので、”まだ先生やっているかな?”と覗いたら変わらず同じ場所でお教室やっていて、即扉開けて、「昔、通っていた者なんですが、もう1回やりたいと思ってるんですが、大人のクラスもありますか?」とお話ししてみたら「子供しかいない中で少しうるさいかもしれないけど、それでもよければいいですよ。」と言って頂けて、すごく嬉しかったのを覚えてます。しかも本当かわからないけど、私のことを覚えてくれていて、それも嬉しくてすごくワクワクした瞬間でした。それが再スタートのきっかけです。最初は久々だったので本当ゼロからの気持ちでやっていたんですが、年に2回の検定を受け続けていたら「すずりちゃん、せっかくだから師範取ってしまったら?」と勧めていただいて、師範を取って、そのタイミングで先生の補佐的な位置で子供達に教え始めました。
その1、2ヶ月後位に、また違う方から「駒沢大学にある竜雲寺。っていうお寺の寺子屋さんで子供の書道教室やってるんだけど、やらない?」とお声がけ頂いて、そこでも教え始めるようにもなりました。そこからは、Instagram(インスタグラム)で書いたものをアップしていたら、インスタグラムからお仕事のご連絡を頂くようになりました。モデルのお仕事もしていたのもあり、業界の方から名刺のロゴを書いて欲しい。とのお問い合わせや、海外の方に向けた日本の文化を伝えるWORKSHOPや、提灯に寄せ文字書いたり、UKのファッションのWebマガジンで、モデル/書家としてやらせて頂いたり、スイスにあるパン屋さんのロゴなど、本当インスタグラムと繋がりのある皆さんのお陰で色々なお仕事の経験をさせて頂いています。その中でも一番びっくりしたお仕事は、ニュージーランドの元首相アーダーン首相が墨汁と筆を使って文字を書く際のお手伝いさせて頂いたことです。まさかこんな機会が巡ってくるとは思ってもみなかったです。しかもお仕事の話が来た時は、長野に行くために免許合宿で受験生のように毎日勉強していて、落ちたら、大切な仕事も信用もなくなる。と思って必死に勉強しました。。。(笑)そんなこともありながらも、ゆるく好きなことを楽しくやってます◎
Q:現在、東京と長野の二拠点生活ですが、そのきっかけは何かありましたか?
長野という場所を選んだのはなぜですか?
コロナ前あたりから居場所探しをしていたのと、書道案件で某化粧品会社のSNSの広告の話がきたんですが、それを逃した悔しさもあり、誰にも邪魔されず黙々と作業できる場所が欲しかった。というのがきっかけです。(大きい文字の練習しないと、と思っていた矢先にお仕事の話が舞い込んできちゃって、以前住んでいた場所では全然練習が落ち着いてできなかったことも理由の一つ。)長野、という場所を選んだのは、ずっと居場所を探ししていて、きっかけを探していて、そんなタイミングでThe Wow Magaginの撮影で出会ったヘアメイクさんから聞いた占い師さんが変で面白くて、居場所のきっかけ掴めるかも?と思って行ってみたんですよね。到着するや否や、一方的に色々言われるんですが、全て当たっていて、「最後聞きたいことある?」と言われたので「居場所探ししてるんですがピンとくる場所が見つからなくて。どこが合ってますかね?」と聞いたら「長野!」と言われて最初ピンとこなかったんですが、当時少し前に知り合った方が長野に家を借りていて、その方にメッセージしたら今空いてるから使っていいよ。とありがたいお言葉を頂いて、肌感が合っていたらそこでもいいかも。と思って行ったら合ってたんですよね。もうそこからは、先に長野入りしていた友達2人にお世話になりながら今、この場所にいることができてます。
Q:なぜ二拠点生活をしようと?
元々2拠点とか考えてなかったんですが、実家がはてしなく東京に近い千葉なので、東京の仕事が入ったら実家に甘えて寝泊まりできるな。と急に考えが変わったんですね。最初は、とにかく自分にフィットする場所に身を置きたい。という気持ちだったんですが、長野であれば、行ったり来たりできる距離ということもあり、東京で積み重ねてきたことも活かしてやればいっか。と考えが変わりました。流行りの2拠点とか小っ恥ずかしいな。なんて思いますが、今では2拠点の生活にも慣れ、私は、1つの場所より何個か拠点がある方が向いているかもしれないな。と思うようになってきてます。
Q:二拠点生活で行き来(移動)する中で、自分にとって必須なアイテムはありますか?
筆ですね。いきなりお仕事が入ることもあるので、絶対忘れられないアイテム。
黒姫高原
Q:長野でお気に入りなポイントは?作品にも影響はありますか?
とにかくお野菜がおいしく豊かなところです。すごくシンプルなんですけど。景色も綺麗で、お水も美味しく、人も優しいし、何より温泉に入れる幸せですかね◎なんか、表面の美より根本的なところに落ち着きを感じます。実は部屋が全然仕上がらなくて、創作が全然進んでないんですが、感覚が変わってきているのを感じているので、今後の文字に色々影響が起きてくる気はしています。表現の幅、広がるといいな〜とは思っています。
手打ちそば 岳
Q:今後やってみたいことなどはありますか?
そうですね、お酒とか、お菓子のパッケージをやりたいんです。日本酒とか和菓子とか、日本発のブランドやメーカーさんのパッケージをやってみたいです。他にもやってみたいことは沢山あるんですけど、WORKSHOPも続けていきたいし、書道教室もやろうと思っています。 子供さん向けだけではなく、大人向けのものもやりたいと思っていて、他にも色々考えてるんですけど、こうゆうのやろうよ!とかやって!みたいなのがあれば是非お気軽にご連絡ください(笑)。今はゆっくりと大切に、一つずつコツコツとやっていけたらなと思っています。
戸隠神社
Suzuri Katagiri