ETRO Fall/Winter 2024 Collection「ETRO ACT」儚さと強さをあわせもつコレクションはウィメンズとメンズの融合のメタファー
ETRO(エトロ)2024年秋冬コレクション「ETRO ACT」。発見とは、地図なき旅で偶然出会うもの。ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』で、ユリシーズはどれほどの冒険を経験し、嵐の海から無傷で抜け出して、未知の土地にたどり着いたのか。彼はどれだけの異郷を訪れ、どれだけの人に出会ったのか。古代の劇場において、マスクは感情やキャラクターを表現し、舞台上での気持ちの変化に合わせて使われている。現存するものは考古学的な財産として大切にされているが、あるものは遺跡のように巨大化してランウェイに鎮座し、あるものはネックレスやイヤリング、ブレスレットへと姿を変えて、コレクションに登場した。
常に異文化への探求心が尽きず、人々の多様性を歓迎するエトロは、今シーズン、ホメロスの冒険に出た。旅のプランよりもアンティークファブリックの証明書を見ることを好む、マルコ・デ・ヴィンチェンツォは、エトロが培ってきたヒストリーを見つめることで、毎回自分の中にある何かと出会い、自身の視点で理解しながら、感じるままにコレクションを表現している。
彼が感じるメッシーナ海峡の風は、ユリシーズがスキュラとカリブディスの間を渡った時のように、髪をなびかせ、軽やかな動きのあるレイヤードを作っている。上に伸びてスカーフのように体に巻きつくスカート、蛍光ペンでマークしたかのようにアクセントとなるスカーフ。一方で、重厚感のあるストレートラインのコートやジャケットによって際立つ、繊細で甘美なフォルム。フェルトに箔押し、レザーに転写プリントされたペイズリーは、一方で、裏返しにした大きなニットステッチでも表現されている。厚手の椅子張り生地は、裁断してショートジャケットに。ウォルフォードのジャカード・ボディストッキングは、パターンがまるでセカンドスキンのように肌にぴったりとフィットする。儚さと強さをあわせもつコレクションは、ウィメンズとメンズの融合のメタファー。ファブリック、素材、カラー、すべてが混ざり、溶け合いながら、黒でエンディングを迎える物語。羅針盤も地図もない旅は、誇りをもって続く。
エトロの伝統とWolford(ウォルフォード)のノウハウが出会い、ブランドのイコノグラフィーを新たに表現するプロジェクトが実現した。ファッションショーにも登場した「エトロ X ウォルフォード」は、オーストリアの卓越したスキンクチュールが、エトロのために特別にデザイン。ペイズリーをあしらった、ウォルフォードのアイコニックな素材は、まるでフィット感の良い手袋のような、セカンドスキンとも言うべきプロダクトとなっている。両ブランドがもつコンテンポラリーなエレガンス、熟練の職人技、革新的なデザインがアイテムに反映されている。ショーのサウンドトラックには、ポストモダンのシンガーソングライターであるMiglio(ミリオ)を起用した。
ALLEN REN
ASHLEY GRAHAM
ANGELA ROZAS SAIZ
VANESSA HONG
■ETRO