FERRAGAMO SPRING/SUMMER 2024 COLLECTION バランスと緊迫感の関係を描きながら、マクシミリアン・デイヴィス独特の美学に自然体な心地よさを吹き込む

FERRAGAMO(フェラガモ)2024年春夏コレクション。マクシミリアン・デイヴィスはフェラガモで培った哲学を探求し、進化させ、バランスと緊迫感の関係を描きながら、彼独特の美学に自然体な心地よさを吹き込んでいる。イタリアとカリブ海のドレスコードの精神に類似点を見出しながら、1960-70年代にイタリアで興った芸術運動であり、日常にある天然素材と人工物を組み合わせ、アートへと昇華させた「アルテ・ポーヴェラ」のコントラストからもインスピレーションを得ている。本コレクションでは、デイリーな素材であるリネンやコットンを、サテンにボンディングしてケープにしたり、レザーのように加工したり、磨き上げられた彫刻のような木製のアクセサリーやディテールと組み合わせられたりと、自然素材を緻密なシルエットで洗練されたスタイルに昇華させた。

コレクション全体を通して、厳格さと自由との間に革新的な相互作用を感じ取ることができる。レザー仕立てのヴィンテージのような風合いは、気取らない心地よさを表現し、ミッドセンチュリーの仕立てを忠実に再現したような正統派なテーラリングは、流れるようなスラッシュがあしらわれている。フィレンツェの伝統でもあり、一方で18世紀のカリブ海のドレスにも見られるビスコース・ジャージーのドレープには、ルネサンス期の甲冑を彷彿とさせる、硬く光沢のある型押しのブラッシュドレザーのボディスがインサートされて登場。マクシミリアン・デイヴィスのクリエイションに見いだされる倒錯的とも言える感性は、エレガントなデイドレスの胸元の深いカッティングや、パテントのロングブーツとの組み合わせ、メンズのショートパンツの太ももの高い位置でのクロップや、Tシャツの引っ張ったようなツイストなどで、静かにその存在を示している。

フットウェアにもコレクションのテーマがはっきりと表れており、ラテックス加工されたナッパレザーのシューズやラックブーツは、マクシミリアン・デイヴィスの美的感覚に基づくと同時に、フェラガモの誇る靴づくりのクラフツマンシップを活かして、快適な履き心地を実現した。3Dプリントと亜鉛メッキ加工を施したバナナケージ状のヒールのデザインは、1955年のアーカイブスタイルであるCalypsoよりインスピレーションを得ている。プラットフォームでおなじみの曲線的なヒールは、ホーンを土台にした光沢のあるサンダルや、ビーズやストーンをあしらったT ストラップに姿を変え、メンズでは、フェラガモの伝統が現代的な表現で蘇っている。オックスフォード、モカシン、ドライバーシューズには、コントラストを効かせたヴィテッロ・ラテックスが組み込まれ、クラシックに新たなひねりが加えられている。

同様にハンドバッグも、前回のコレクションから続くグラフィカルなラインと幾何学的なフォルムを継承している。コンテンポラリー・クラシックの代表バッグ「HUG」は、キャンバスやレザーのほか、虹色に輝くポーチのスタイルが登場。またシンメトリーなシルエットにゆがみと遊び心を加え、フェラガモのアーカイブのライターをクロージャーとして取り入れたラグジュアリーなショルダーバッグ「FIAMMA」が新しく登場する。前回のコレクションにも登場したクラシカルなワンハンドルバッグには、今シーズンの自然体なムードを象徴するウッドビーズやフリンジがあしらわれており、メンズのバッグでは、星のようなユニークなシルエットのトートバッグが中心であり、ボンディング素材と金具を極力使わない構造が、ミニマルで軽快な印象を与えている。