A.P.C. F/W 2023 COLLECTION「Mom, I’m Going Out Tonight(ママ、今夜出かけてくるよ)」カテゴリーにとらわれない世代に習い、性別、時代、プロポーションの概念を曖昧に

A.P.C.(アー・ペー・セー)2023年秋冬コレクションは、パリLycée Diagonale高校のシニアクラスのクラスメイトとチームを組んでいる。ジュディスとジャン・トゥイトゥの娘であるリリーが通うこの高校はトップレベルのアスリートやアーティストのために適応した時間割を設けている。身体的な基準などではなく、ボランティアベースでキャスティングされた31名の学生は、各自の個性をアピールし、A.P.C.に扮するのではなく、A.P.C.を装うというエスプリでコレクションを表現しており、メイクやヘアスタイルも同様に一人ひとりのオリジナリティを尊重している。1日限りのモデルとなった学生達は、1980年代のカリフォルニアンパンクグラフィティにインスパイアされた装飾にも関わっており、音楽構成の話し合いにも参加し、ジャン、リリーと学生達の選曲の中からDJ Mydがライブでミックスしている。学生達は自分達の好きなアート・ツールを使い、各自のクリエイティブなプロセスに組み込むことで、ショーと融合させている。ジャン・トゥイトゥは、「ランウェイを歩く若者たちは、経験豊富なベテランのようなものです。彼らはコビッド危機の際、両親というバンカーでホルモンの激発を生き延びたのですから。彼らがこのショーの輝きとなるのです」と話している。『Maman je sors ce soir(ママ、今夜出かけてくるよ)』と題された今回のショーは、カテゴリーにとらわれないこの世代に習い、性別、時代、プロポーションの概念を曖昧にしている。第1グループは、クラシックなトレンチコートにバトラージーンズ、ラグビーポロにオーバーサイズジーンズを組合せたり、ジーンズとデニムジャケットを組み合わせ(別名:カナディアンタキシード)をスーツに変えたりすることで、プレッピールックの模範を覆している。第2グループは、テレビドラマ『Wednesday』のアダムを思い起こさせるシルエットで、ブラックとローデニムのグラフィックの力強さ、ブラウスやコートのシンプルでありながら完璧なカットを協調することで、ゴシック様式を再考。グランジがインスピレーションとなっている第3グループは、ボトムの上にドレスを着たり、チェック、プリント、ストライププリントをミックスしたり、ボンバースやスウェットパンツ、グラニーベストやオーバーサイズのコートを組み合わせたりと、学生たちの大胆なミックス&マッチを見事に表現している。2006年生まれの若者たちによる今回のショーは、昨年から始めたA.P.C.35周年の歴史を伝えるプロセスのメタファーとも言える。

Styling:Charlotte Collet

Callum Mullin

Edie Liberty Rose

Mayra Suarez

Mila Hasegawa

Yiyan Yang

 

■A.P.C.

www.apcjp.com



CONTENTS