LOEWE Fall/Winter 2023 Women’s Collection 2023年秋冬メンズコレクションから継続される還元主義的実践。シルエット、テクスチャー、光と素材の関係を顧みる内向的なスタンスを提示 #LOEWEFW23

ⒸMolly Lowe

LOEWE(ロエベ)2023年秋冬ウィメンズコレクション。2023年秋冬メンズコレクションから継続される還元主義的実践。さらに先鋭的に、大胆に。伝統的な建造物に設えられた白いキューブの内部で、アーティスト、ララ・ファヴァレットによるコンフェッティのキューブが散点している。世界がかつてなく外交的なムードを謳歌する中、本コレクションはシルエット、テクスチャー、光と素材の関係を顧みる内向的なスタンスを提示する。レザー、ダッチェスシルク、サテン、ベルベット、カシミヤニット、羽毛、クリスタル。黒、ブラウン、キャメル、白、赤。際立つパステル。ぼかしの概念を通じて、ファッションは現在ではなくその先にあることを示唆している。「今はまだおぼろげな何か」に目をこらすこと。焦点のあたるものとあたらないものの緊張関係が心地よいテンポを生み出している。2023年春夏のピクセルアイテムはさらに曖昧な輪郭に。ドレス、トレンチコート、フェイクファーコートは物体から「印象」へ。幻影、あるいは去来を繰り返しやがて刻まれる記憶のように。カーディガンもまたステッカーへと変貌している。要素の純粋性へ。たった一つの要素から、最もシンプルな形を追求している。単一のディテールや操作が生み出すシルエット。折り畳まれたアーム、ピンでつくられたボリューム、バッグのチェーンによるドレープ、途中での折り返し、崩れ落ちるブーツ。徹底して問われるプロポーション。流体性、垂直性、ドレープやカーブ、鋭く差し挟まれるコンパクトなシェイプ。スクイーズバッグが登場。魅惑的にしなやかなレザーに、やわらかなハンドルとドーナツチェーンをそなえた新作。オーバーサイズのパズルトートやパセオバッグ、巣のように編まれたレザーバスケット。ラウンドトゥブーツや、大ぶりのボウタイや影を宿したスレンダーパンプス。切り替わるフォーカス。純化のコレクションとなっている。ロエベは、アーティストのララ・ファヴァレット(1973年生、イタリア・トレヴィーゾ出身)と再びコラボレーションし、作家にとって最大規模の作品となる約10トンのカラフルなコンフェッティと21のキューブからなるインスタレーションを制作した。空間全体に配置され、モデルの歩行によって徐々に侵食されることで移り変わる景色を生み出している。建造物と廃墟の間を探求するファヴァレットは、しばしば揮発性の高い、または壊れやすい材料を用いることで崩壊の必然性をはらんだ作品を制作している。各キューブは、接着剤や骨組みを使わず、数時間を費やしてコンフェッティを人力で圧縮することによって作られている。キューブの色とその配合は特定の映画の静止画から取り出されており、今回のインスタレーションでは2019年のアリ・アスターの映画『ミッドサマー』が引用元となった。コンフェッティはショーの終了とともに回収され、将来のインスタレーションで再利用される。

ⒸGetty Images for LOEWE Pascal Le Segretain

 

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