Courrèges Fall/Winter 2023 Collection 電話機の画面の冷たい光から心の輝きへと、進化し続けるワードローブの 内面を解き放つ、光と悟りの儀式として演出

Courrèges(クレージュ)2023年秋冬ウィメンズコレクション。電話機の画面の冷たい光から心の輝きへと、進化し続けるワードローブの内面を解き放つ、光と悟りの儀式として演出されている。ホリスティックなリアリズムの実践として、内なる光を解き放つ内省的な旅において、儀式と日常が出会う空間を思い起こさせる。ソルボンヌ大学の箱庭のような図書館の黄昏時、AI ロボットの聞き覚えのある声が、賑やかな通りの噂を打ち消す。「空は青いですか?」と謎めき、逆光の人物をバックに立方体の煙がそよぐ。この夢のような空間は、アーティストRémy BrièreとMatière Noireのコラボレーションによってデザインされた。Matière Noireは、非物質的なものをインタラクティブで、技術的に驚きのある空間に作り上げることで知られるコレクティブ。今シーズンもまた、光、霧、空気といった自然の力を利用し、デ・フェリーチェのビジュアルストーリーにおける精神的な進化を反映した、超現実的でほとんどディストピア的な自然のビジョンを永続させている。このコレクションは、携帯電話のスクリーンに覆いかぶさる身体の曲線的な姿勢から生まれた。2023年春夏コレクションから派生したこのジェスチャーは、デニムジャケット、ピンストライプのスーツコート、シアリングブルゾンなど、デイウェアの典型的な形を構成し、そのボリュームを外側に張り出して世界から体を遮蔽している。ネックラインやウエストバンドに真鍮のジュエリーを埋め込んだり、ドレープジャージのプリーツのボリュームを利用した放物線状の真鍮のペンダントが登場したり、きわめて儀式的な形でハイブリッド化が図られている。ヴァイオリンとオルトロックのドラムのオーケストラがテンポを速めると、宗教的な装いを思い起こさせるよう行進で、柱のようなチュニックを着たルックが登場。背中のオープンスタイル、へそのカットアウト、透け感のあるナイロンの囁きなど、ロマンティックな演出が施され、物語が進むにつれて、体が保護され、露出されていく。クレッシェンド・スコアは、セーヌとニコラス・デ・フェリーチェが作曲したもので、嵐の中をガイドする。デジタルとアナログを組み合わせた解釈と異文化への言及は、ニューエイジのマントラでポップアンセムを装いながら、些細なこととの交わりをテーマとしている。このコレクションとその舞台装置は、視線を上へと向け、世界における私たちの存在に視点を向けさせている。その動きの中で、身体は徐々に服を脱ぎ、主張し、拡大する自由を得る。その瞬間の静寂の中で、心臓の鼓動に乗せたミラーの行列は、自己実現の道しるべになる。そして暗闇の中で輝く日食となり、もうひとりの自分へ道を照らす。‘Through the dark, through the smoke and mirrors, I see you’「暗闇の中で、煙と鏡の中で、あなたを見ています」。

■Courrèges

お問い合わせ:EDSTRÖM OFFICE / TEL 03-6427-5901

https://www.courreges.com/



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