LEMAIRE 2023 Spring Summer Collection 観客を駅の構内、映画のセットにいるかのような旅を共に楽しむ

LEMAIRE(ルメール)2023年春夏コレクション。観客を駅の構内、映画のセットにいるかのような旅を共に楽しむ。この会場では自身もアクションをするひとりとなり、モデルはアナ・ロクサンヌの実験的な音楽に導かれ、この環境のループに入る。それはまるで動物園に行って、その場を虫眼鏡で何が起こっているのかを見るかのように、観客の動きも足されることで、ルメールの世界に迷い込んでいく。観ている人はゆっくりと服に近づき、視線や瞬き、微笑みなどを通して、服やそれを着ている人とダイアログがはじまる。ルメールは、フィクションと現実の狭間で、人々が自分自身の物語を見出すことを可能にするコレクション。ジェンダー問わず表現する今シーズンは、文法のように同じ意図で動かされ、すべてのコレクションを同じ道筋で連結し、変調や新しい関連付けによって常に進化している。夏のワードローブは、しなやかで風通しのよいシャツやドレス、パジャマなど、より軽やかなもの、ゆったりとしたボリュームは、動きに余裕をもたらしている。着る人と衣服の間にはスペースがありつつ、ウエストや足首で調整可能なシルエットは、ささやかな洗練さ、平然たるエレガンスを提案。襟は広くなり、しわ加工など新しい素材が登場し、より軽いシルエットを実現し、ある種の艶やかさと洗練された疲労感が、身体に不可をかけずに包み込む。クリーミーな色調に、テラコッタ、オックスブラッドレッド、ジンジャー、ベビーブルー、フレッシュピンクが加わり、昼間のフレッシュなカラーパレットと、トロピカルプリントのコントラストを作り出している。ドライシルク、シアサッカー、コットンは、まるで服が友人のように、家のように、窓を大きく開けているかのように、あるいは風下に突進するパラシュートのように見えるというアイデアに生命を吹き込んでいる。アクセサリーはコレクションの物憂げなスーツや柔らかなユニフォームの延長として機能している。胸元のクロワッサンバッグ、新しいレザーアイテム、機能的なキーホルダー、外ポケットのようなバッグが、コレクションのシルエットを完成させている。お守りのようなチャームが付いた細いチェーンは、腕や首筋を滑るように移動し、ビーズカーテンからインスピレーションを得たペンダント付きのロングネックレスは、エフォートレスなシルエットに動き、音を奏でている。ルメールはまた、1979年にパプアニューギニアで生まれたノヴィアディ・アンカサプラの作品をあしらったコットンシリーズにおいて、絵画的な表面と動く身体を融合させたカプセル・ワードローブを製作。今までのコラボレーター同様、これらは視覚的・具象的なモチーフで表現し続けている。東洋と西洋を融合させた彼の生のペン画は、精神性と自然に根ざした未知の描法を内包しているかのよう。身につけると、コットンに再現されたドローイングが広がり、生地の薄さやマットな質感、生成り仕上げの服は、紙を連想させ、本来、紙印刷が持つ謙虚さを思い起こさせる。解剖学的ボードやネットワーク、静脈や幻想的な毛細血管を思わせるアンカサプラの作品は、着る人の身体とその動きに新しい息吹を与えている。