Salvatore Ferragamo Autumn/Winter 2022 Collection「Intelligent Informal」”カジュアル”のコードを一度分解し、自由な解釈、流動的な表現の精神とジェンダー間でシェアできる共通のコードを組み合わせて再構築

Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ フェラガモ)2022年秋冬コレクション「Intelligent Informal」。2020年代の幕開けとともに、世界的にカジュアル化が加速した。世界的なできごとや、新しい世代の価値観はこれまでの習慣を変化させ、テーラリングやイブニングウェア(いわゆる”フォーマルウェア”)の衰退を引き起こし、「インフォーマル」が大きな注目を集めるようになった。2022年秋冬コレクションは、1つの重要な軸を持ちながらその変化に適応。カテゴリー的に「カジュアル」な服も、イブニングガウンやタキシードと同様に注意を払って素材が選ばれ、高い技術で作られており、皮肉にも「フォーマルな」場でも着用できることを実証するために構築されたコレクションとなっている。フェラガモは「カジュアル」のコードを一度分解し、自由な解釈、流動的な表現の精神とジェンダー間でシェアできる共通のコードを組み合わせて再構築。ウィメンズウェアでは、イブニングウェアの定番であるドラマティックなフリルが、汎用性の高いニットで表現されている。伝統的なシルエットのイブニングウェアには、しなやかなシアリング生地を採用し、新しい解釈をプラス。シンプルなニットのボディスーツは、レザーのミニスカートの下に合わせ、トレンチはラップベルトとラップスカーフによって、様々な着方をすることが出来る。メンズウェアでは、フォーマルウェアの基本的なシルエットは保ちながらも、構造の余分な複雑さから解放され、それはジレが組み込まれたソフトジャケットに象徴されている。ガンチーニモチーフがキルティングされているオリーブグリーンのパーカーやサステナブルナイロンのプルオーバーとジャンプスーツは、テクニカルガーメントとフェラガモコードを統合して生まれた。両ジェンダー共通して登場する、手作りのディテールを備えたウールパンツ、カーディガン、セーターなどのニットウェアは、アスレジャーをアップグレード。また、スケールとプロポーションに焦点を当て、皮肉さと目を見張るような遊び心にアクセスする。ピッチの太いストライプと珍しい組み合わせのパッチングは、フォーマルの中にある「スマートさ」を「インフォーマル」の皮肉なインテリジェンスに置き替えている。これらのルックは、現代的なキャラクターや新しい生き方が持つ自由さを表現するためにデザインされた。バッグは、「カジュアルな古典主義」の概念を増幅するためにアイコンを再考し、ザ フェラガモ ステューディオ バッグからは、立体的な視覚効果のあるクロコダイルプリントレザーを含む新しい素材や、新しいサイズが登場。シューズは、レトロなランニングスタイルにインスピレーションを受け、1938年にサルヴァトーレ・フェラガモによってデザインされた、象徴的なレインボーシューズを彷彿とさせるマルチカラーソールの新しいユニセックススニーカーが登場。特徴的なテクスチャーのカーフスキンで作られたスノーブーツ、モカシン、ハイカーブーツは超軽量ラグソールを備えながらも、ボリュームのあるシルエットとなっている。象徴的なガンチーニハードウェアは、これらのシューズや新しいコンバットブーツにあしらわれ、皮肉さと驚きのエフェクトをもたらしている。ミラノのドゥオーモ広場の中心地のパラッツォ・レアーレ内にある新古典主義建築サラ・デッレ・カリアティディにて発表された2022年秋冬コレクションは、彫刻的なライトアートにインスパイアされた、没入型の会場セットの中で、新しいメンズ・ウィメンズのレディ・トゥ・ウェアおよびアクセサリーを紹介した。会場を入るとまず、バッグやシューズなどアクセサリーの世界が色鮮やかなサークルと光の通路を通して紹介され、会場を進んでいくと、レディ・トゥ・ウェア専用の大きな部屋があり、パースペックス製のカラフルで透明なキューブと、光のエフェクトでできた島が、会場が持つ永遠の美と退廃的な輝きと芸術的なコントラストをなしている。その先にあるコレクションの映像は、観客をパラレルワールドに誘い、異なる視点にいざなう。



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