Vivienne Westwood Autumn-Winter 2022-23 Collection「Wild Beauty」スカートやドレスにパンサー・カッティングを用い大型の猫科特有のしなやかでエネルギーに満ちた動きを表現

Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)2022-23年秋冬コレクション「Wild Beauty」。常に量よりも質に重きを置いてきた。質を追求することは無駄を省くことにつながり、私たちが掲げる理念である”Buy Less”へと通じている。「Wild Beauty」は、ゴールドレーベル 2001年秋冬コレクションより引用したもので、寅年に発表する本コレクションを表現するに相応しいタイトル。中国人にとって虎は強さ、勇気、悪を払う象徴であり、中国天文学では西方白虎として対応づけられ人々を導いてきた。また虎は燃えるイメージとしても用いられ、ナショナル・ギャラリーに収蔵されているアンリ・ルソーの作品では、熱帯嵐の中を徘徊する様子が描かれている。本コレクションではスカートやドレスにパンサー・カッティングを用い、大型の猫科特有のしなやかでエネルギーに満ちた動きを表現しており、中国のアニマル柄やドットやストライプといったテキスタイルを多数取り入れている。魔除けのシンボルである邪眼モチーフは、マティスの描く美しい女性の目と自身の目を参考にヴィヴィアン自身による手描きのアートワークを採用。ウィーンの美術史博物館に所蔵されているピーター・ブリューゲルの絵「カーニバルとレントの戦い」(1559年)もコレクションを彩っており、この作品はヘンリー8世の時代に描かれた、生命力にあふれた人間の姿が印象的。一説によると、人々はLSDに使われる菌と同じカビの生えたトウモロコシを食べ、そして地獄と魔女に取り憑かれたという。絵は超現実的だが、大局を突き詰めた作品となっている。よく選び、本当に必要なものだけを買い、それを長く使うこと。



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