Rick Owens Spring/Summer 2022 Collection「FOGACHINE(FOG MACHINE)」何よりも美しいものを追求することには魅了してやまない心地よい道理があり、創造的なシグネチャーを限りなく磨き上げる

Rick Owens(リック オウエンス) 2022年春夏ウィメンズコレクション「FOGACHINE(FOG MACHINE)」。ヴェネチアのリドビーチにて、ライブストリーミングで発表した4 回にわたるコロナ渦でのショー後、パレ・ド・トーキョーに大々的に戻ってきたことは、全員が共に経験し、そして今もなお進行形である隔離的な経験を無視しているように思えた。しかし、パリのランウェイに戻ることは謙虚さと教訓を得ることなのか?それともCARPE DIEMなのか?何よりも美しいものを追求することには、常に魅了してやまない心地よい道理があり、常に賞賛してきた人々の創造的なシグネチャーを限りなく磨き上げてきた。黒のマットなラッカー加工を施したストレッチデニムのボディスーツは、上半身を剥ぎ取ると抽象的なスカートになり、プラットフォームのサイハイウェーダーの上に履くと、スパルタンなブーツに切り替わり、コレクション名にもなっている「FOG(霧)」のように空中に浮かんでいる極薄のナイロンを使用したイージーなTシャツを合わせている。テーラリングでは、ショルダーが誇張されたシャープなマイクロジャケットや、コットンオーガンジーとシルクムスリンの素材を用い、サイドが砂時計のように切り取られたコートが登場し、カッティングにより、その下にある構造的なインターラインの複雑さを露出。幾何学的なカットアウトがボディを露わにすることもあれば、コックフェザーをちりばめたチュールやリジットコットンファイユを使用したローブやマントで厳格に体のシルエットを隠し、対比したルックを表現している。レザーとナイロン製のボンバージャケットのアウトラインは、女性版ル・コルビュジエの「モジュラー」に相当するもので、山足織物(1945年創業)のヴィンテージ坂本式自動シャトル織機で織った16オンスのブラック、ナチュラル、オレンジのセルビッチ・デニムのフレア・ジーンズ・スカートに合わせており、これは日本の岡山県倉敷市で製造される、以前から取り組んでいるDRKSHDWカプセルコレクションのアイテム。硬いショルダーパッドのガーダー付きバブルジャケットは、シャーリングされたシフォンのボディが、ソリッドなブライトカラーもしくは柔らかいグラデーションのカラーリングにより、建築的なコンフェクションを実現。様々なカラーで展開されるモヘアのスパイダーウェブ・ニットは、取り外し可能なアームとフードを滴るようにレイヤードする事でボディを覆っている。ブルータリストなチョーカーは、1950年代にココ・シャネル、クリストバル・バレンシアガ、マダム・グレのためにジュエリーを製作していたジュエリーブランド”グーセンス・パリ”と継続的に製作しているジュエリーコレクション。ブラジルの先住民族によって生産された食品副産物であるピラルクの皮から作られたドラゴン・スケール・レザーを使用したジャケットやバッグも継続して発表。日本で作っていないデニムは、1597年に創業した地元イタリアの工場で生産されたGOTS認証(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)のオーガニックコットンを使用。モデルたちは、リドに家のテラスの植物から集めたジャスミンの落ち葉の中を歩いた。これはコロナ渦でのショーへのオマージュ。サウンドトラックはMochipetによるカスタムオリジナルミックスで、その瞬間の冷静な判断による快楽主義と、それに対する私の警戒心を反映した歪んだハードなサウンドスケープ。