Onitsuka Tiger Spring/Summer 2022 Collection『MILAN-TOKYO』空虚で静観な空間になりながらも、依然としてユニークな魅力を発し続ける東京の旅

Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)2022年春夏コレクションは、ミラノより『MILAN-TOKYO』と題されたショートフィルム(監督:堀田英仁)で発表された。ミラノを拠点にするデザイナーのアンドレア ポンピリオは、突如として空虚で静観な空間になりながらも、依然としてユニークな魅力を発し続ける東京の旅をコンセプトとした。夜の放浪は、空港から始まり、大都市の街角へと移っていく。巨大な信号機にも、橋にも、通りにも、高架の高速道路にも、どこにも人の気配は感じられない。シーンが変わり、風景がランウェイへと変身。広大な空間がどんどん狭くなり、新宿や渋谷の路地に集約されていく。ひと気のない都会とは好対照に、そこはハイテク製品やガジェットを扱う店のカラフルなネオンに照らし出され、タクシー乗り場には、新旧の車が整然と並び、シートカバーの白いレースと、自動ドアのカラフルなLEDライトがぶつかり合う。東京を巡る旅は、大井町商店街の裏通りへと倒れ込むように進んでいく。コーヒーショップやスナック、バーから道路標識まで、すべてが冷たくグリーンがかった光を放ち、まるで東京を舞台とする2000年代の著名な映画のように不慣れな土地で方向感覚を失った気持ちを増幅させる。旅の終着点は、東京の数ある高層ビルの中のひとつの屋上。どこまでも続く照明は、世界を席巻したアイコニックなアニメが描いたディストピアの未来を想起させる。休むことのない日常が目を覚ますのを待つ眠らぬ街、東京は、エネルギーとモダニティの両方を象徴。ファッションとスポーツ志向の美学とを融合させたOnitsuka Tigerの今回のコレクションが、この舞台と絶妙に溶け合っている。2022年は“寅年”であり、ブランドのコアシンボルであるこの干支は、繰り返し登場するテーマ“TIGER POWER”を表現するものでもある。ビーチウェアでも提案されているアニマルプリント、ジオメトリック調の規則的な縦ラインとボーダーのコントラストによって完成されるマルチュースなアイテム。フットウエアからは、タイガーの虎縞様のモチーフをソールやアッパーに用いた2種類の新作スニーカーが登場する。



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