Mame Kurogouchi Fall Winter 2021 Collection “Nocturnal Window” 窓がもたらす光と影の関係性へと想いを馳せながら月への旅を描き出す

©Yoshiyuki Okuyama

Mame Kurogouchi(マメ クロゴウチ)2021年秋冬コレクション“Nocturnal Window”。今シーズンは、月夜が作り出す影たちの共演による幻想的な光景からインスパイアされ、窓がもたらす光と影の関係性へと想いを馳せながら月への旅を描き出す。昨シーズンに引き続き、窓が招き入れる光をきっかけにコレクションは形作られるが、その光は月明かりのみが作り得るある種の冷たさをもって室内に投下される。窓にかけられたブラインドにより生み出される様々な形状の影の存在が、デザイナー黒河内真衣子に、初めて煌々と輝く月の存在-光そのもの-を認識させたように、影をモチーフとした様々な表現を模索し生地作りを始めることで、コレクションは形作られてゆく。月明かりがブラインドを通して作り出す様々な影への恍惚は、月の住人への想いと重なり合い、醸成されることでフューチャリスティックなデザインへと昇華され、日本の伝統技術と職人の手により、唯一無二のプロダクトへとクラフトされる。壁や天井を走る直線状の影は今季コレクション内に象徴的に多用されるストライプ柄へと落とし込まれ、ソファーやベッドの上で折れ曲がり、うねり、溶け合う様々な影は、大きくカーブしたプリーツやあえてランダムなリブ幅にデザインされたニットなどに姿を変える。伝統的な板締め絞りの技術を採用し、染色によるストライプの表現を試みることで、柔らかな質感のドレスやブラウスは一見直線的でありながら、かすかな揺らぎを持つ影の表現を纏ってゆく。コレクションに近未来的な印象を付与する大きく大胆にカーブさせたプリーツも、職人が特殊な型紙を一からおこすことで実現。ヴィーガンレザーのパイピングが影によるグラフィカルなコンポジションを思わせるコートやブルゾン、ドレスのシリーズは環境負荷の少ない新技術であるオゾン防縮技術を採用することでシワになりにくく、上品な光沢も獲得している。コレクション内で異彩を放つカラフルかつサイケデリックな「マーブルプリント」のドレスやトップスは、黒河内を魅了した、茜色の夕暮れから鋭い月明かりへと時間の経過と共に変化する光と影の色合い、夜闇へと溶け出してゆく体温、ブラインド越しに室内へと投下される歪んだ形の影など、今季のテーマそのものを表現すべく、生み出された。世界でも京都の工場1社のみが擁する技術−途方もない手作業、職人の感覚と経験のみが可能にする柄構築−により黒河内が描いた全ての線が、一本一本解きほぐされ、再構築の作業を経てプリントされる。ブランドのアイコンでもあるボタニカル柄は、アトリエの中庭で採集された金木犀の小花が主役となり、ストライプと混ざり合いながら、立体的なシルクジャカードやカットジャカード、ニットウェアで表現され、影や窓枠を想起させるグラフィックが施された生地の上で軽やかに舞い踊る。カラーパレットは月明かりを思わせるグレーや、月夜そのものを染め上げたようなネイビーに加え、夜の訪れを予感させる夕日のオレンジが一筋の光の線のようにコレクション全体を貫く。多様なラインナップのアクセサリーによりコレクションはアクティブなルックスを獲得。マルチポケットのスポーティーなスカートバッグやウェストポーチが女性の両手を解放し、美しいグレーとゴールドのディテールが印象的なトレッキングブーツを纏うことで、新たな日常はまた新たな旅へと変化を遂げる。金木犀の小花はピアスやイヤーカフとなり耳元を飾り、ニットグローブとなって手元を彩る。ブランド初登場のアイウェアは上品なキャットアイスタイルで、ブラック、グレー、クリアの3色展開で登場する。

©Yuichiro Noda

 

■Mame Kurogouchi

www.mamekurogouchi.com