Max Mara 2021 Pre-Fall Collection 芸術家、写真家、ジャーナリスト、モデル、そしてミューズ「リー・ミラー」の光と影に彩られた人生を捉えたザラッとした白黒写真にインスピレーション"グレー"を新しい視点で見直す
Max Mara(マックスマーラ)2021年プレフォールコレクション。エリザベス・”リー”・ミラー:何にもカテゴライズされることのない輝く才能。その知性、創造性、美しさ、意欲、毅然とした決断力は、激動の人生の中のさまざまな分岐点で、彼女の地位を揺るぎないものにした。マン・レイ、マックス・エルンスト、マグリット、コクトー、ピカソ。数々のアーティストに影響を与えた先駆的な芸術家であり、写真家であり、ジャーナリストであると同時に、モデル、そしてミューズとしての顔を持つリー・ミラー。光と影のコントラストに彩られた彼女の人生は、あらゆる場面が写真という現代的な媒体によって捉えられている。そのザラッとした白黒の画像にインスピレーションを受け、マックスマーラは「グレー」という色を新しい視点で見直した。軍服に身を包んだミラーの写真をイメージし、コレクションの中心テーマである「コンバットテーラード」が生まれた。使命を背負った女性に向けて、マックスマーラが新たに提案する「サルトリアーレ」コレクションはシャープな仕立てのスーツ、スマートなグリザイユ、そして実用的なベロウズポケット付きのグレンチェックを。大きめのボックス型のジャケットには、カーゴパンツや膝上丈のスカートを合わせた。ファッションモデルとしてのミラーの人生は、マンハッタンの通りで、車に轢かれそうになった瞬間から始まる。偶然にも、車を運転していたのは有名雑誌出版社のオーナー、コンデ・ナスト。エドワード・スタイケン、ジョージ・ホイニンゲン=ヒューネが撮影したリー・ミラーの写真は「モダンガール」の象徴として、ファッション界の頂点に立った少女の姿を映し出している。これらの写真をヒントに、大きなリボンとギャザーを寄せた袖がドラマチックなオーガンザとシルクのガザールをデザイン。ドットは、ミラーが好んだパターンの一つ。今回のコレクションでは、グレーとホワイト、そしてトーンオントーン配色のドット柄をチョイス。生地の上で、大きなドットからさらに大きなドットへと広がる。以前から、マックスマーラにとって、ミラーはミューズの象徴であり、リスペクトの対象だった。スティーヴン・マイゼルが撮影した1999年のキャンペーン写真のムードボードでは、キャロリン・マーフィーがミラー風の雰囲気で登場。クールで自信たっぷりでグラマラス。彼女はサイドを紐で結ぶデザインの白いスーツを着こなしている。このスーツをアップデートしたバージョンが、肩にかけたアイコニックな101801コートと組み合わせてラインナップに登場。アーティストのジェシー・マンは、ミラーのような「複雑で完全に立体的な女性像」の女性のロールモデルが増えるべきだと語っている。マックスマーラは、世界に挑戦するための「武器」をそろえたコレクションを展開し、女性たちに敬意を表している。
■Max Mara