Paco Rabanne 2021 Spring/Summer Collection「アバンギャルド・ローブ」ベーシックなスタイルを巧みに崩しながら、計算され尽くした”さりげなさ”を作り上げる

Paco Rabanne(パコ ラバンヌ)2021年春夏コレクション「The Avant-Garde-Robe(アバンギャルド・ローブ)」。アート、ファッション、音楽、映画、どの分野においても、アバンギャルドと称されるアーティスト達は、表現を通して、前衛と実験の精神を世に示してきた。設立当初から パコ ラバンヌにも、アバンギャルドの精神が備わっていた。服作りに使われることがなかった素材や技法で構成したファーストコレクション「12 Dresses in Unwearable Materials」(1966年)は、当時のファッション界に大きな衝撃を与えた。しかし、パンデミックによりすっかり世界が様変わりしてしまった今、アバンギャルドの精神もまた、どう時代と共に変化できるのでしょうか?例えば、アバンギャルドの精神でデイリーウェアをデザインしたら?今シーズン、クリエイティブ・ディレクターJulien Dossena(ジュリアン・ドッセーナ)は、女性達に、より直感的に訴えかける”アバンギャルド・ローブ(アバンギャルドとワードローブを文字って)”を提案。日常着の究極のリミックスを考えることで、新しい個性的なスタイルを生み出した。コレクションは一見カジュアルだが、パコ ラバンヌらしい高度な技巧は健在。ベーシックなスタイルを巧みに崩しながら、 計算され尽くした”さりげなさ”を作り上げている。それぞれのルックは、異なるアイディアの意図的かつ補完的な繋がりを示している。全身を覆う、幾何学模様と花模様が重ねられた、光り輝くアッサンブラージュドレス。レオパード柄とランジェリー、また、ベビードールドレスとレースインレイの組み合わせは挑発的。ワードローブの基本アイテムである、ビスチェとデニムは、縦長のテーラードジャケットやリラックスしたメタルローブと合わせて。シルバーのスタンピングが施されたストライプのリブニットは、キネティックアートのように、身体のカーブに沿って動き出す。ゴールドとシルバーのメタルメッシュドレスは、さりげなく胸元で絞って。ネックレスとベルトが、ネックラインとウエストラインにアクセントを与えている。メタルメッシュにプリントされたトロンプ・ルイユのジュエリーが、身体を華やかさで包み、クラシックなトレンチコートには、透明なプラスチックのレイヤーをプラス。足元には、アーカイブのスチールフレームをヒールのデザインとして再解釈したブーツを合わせている。今シーズン、パコ ラバンヌのアーティスティックな側面はアーカイブから、そして、コンセプチャルかつスカルプチュアルなシルエットは日常からインスパイアされている。