mame 2018 Spring/Summer Collection「New Color」たいせつな普通の日常からつくられたコレクション
mame(マメ)2018 Spring/Summer Collection「New Color」。デザイナーの黒河内真衣子は今回のコレクションに関してこのように語っている『誕生日にWilliam Egglestonの写真集をもらったのが今回のきっかけだ。1970年代、モノクロームフィルムが主流であった美術写真の世界で、アメリカの新しい写真家たちがカラーフィルムを使用して撮った写真のことを「New Color」と呼ぶ。その中の一人であるWilliam Egglestonの写真は、自分の周りの生活を切り撮ったもので、そこに写る当たり前だけど大切な日常に、ページをめくるたびに私は心動かされることがあったのだ。ちょうどいつものデジカメが壊れてたことだし、と中古のフィルムカメラで私は旅の中でも通勤の中でも「たいせつな普通」を記録し始めた。わたしの日常はだいたい妄想で溢れていて、タクシーの中から、あぁ、あのビニールシートと赤いフェンスはブラウスに見えるな、とか。洗った野菜を笊にあげる時、これがニットになったら素敵だな、とか。光の溢れるカーテンは細かなギャザーの入ったドレスになったりする。たまったフィルムたちを現像に出したらそこには色んな場所の日常が詰まっていてとても面白かった。田舎町のスイフトショップに並ぶ大量の洋服達。店頭でぐったりとした看板娘の熊のぬいぐるみ。祖母のいけたそこらへんで生えていた花。カーテンの隙間から溢れた朝の光のライン。軒先の露に濡れるいつかの漁で使われたであろうガラス玉。全く関係のない風景が線で繋がれて行く。妄想は別にどこか遠くの国だろうと世田谷だろうと変わらない。私の脳はどこへでもトリップしてそれらを集めている。これは私のあつめた「たいせつな普通」の日常からつくられたコレクションなのだ。』。
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