「大人と少女の間」が永遠のテーマ モデル田中シェン スペシャルインタビュー

shen tanaka_2P_1 shen tanaka_2P_2

PHOTO_Ena Kitamura

 

・モデルとして、イラストレーターとして表現するという点で何か違いはありますか?

ーモデルとイラストレーターの自分の中での違いは、モデルは仕事として突き詰めたい。イラストの表現は、制限なく楽しみたい。だから仕事にするのは嫌なんでしょうね。自由にやりたいって感じているんだと思います。モデルとしての表現は仕事としてのクオリティもあるけど、その時代時代で、変わっていきたい。今日良いものが、明日良いとは限らないから、そういう中で常に進化していけたらいいなって思っています。

 

・2号目のRINZINEが発売されましたね。このお仕事もモデルのつながりで始められたのですか?

ーディレクターのRINちゃんがRINZINE作りたいってなった時に、知り合いだったスタイリストの伊藤さんが私を誘ってくれたんです。まだデビューしたてだったから、作品撮り感覚でやっていましたね。1号目の写真があがった時に、私がイラストを描いたりしているのを知って、じゃあ、イラストも描いてくれる?って、軽い気持ちで描いたのが始まりなんです。2号目でも、イラストは継続して私が描いてます。実は、RINZINEやるまでは絵を描くことをやめていたんです。しかも、今まで描いてきた絵と全く違うテイストに変わったきっかけでもあります。それまでは、漫画が好きだったから漫画タッチのイラストを描いていて、でもRINZINEのテイストを考えた時に、空気感を出すならアメコミじゃないけど、もうちょっとリアルな方がお洒落で可愛いんじゃないかなって思って勉強し始めたんです。

 

・何がきっかけになるかわからないですね。

ー本当にそうですね。絵のタッチも変えていったから、良い方向に進んできたのかも。今もまだ勉強途中で、手本がないと書けないからオリジナルとは完全に言い切れなくて。服の絵はずっと学生時代から描いてきたから、服を着せるのは得意なんだけど。もうちょっとポーズだったりを、お手本も何もない状態で描けるようになりたいなって思っています。性格が負けず嫌いだから、できないことが嫌なんです。だから出来ないんだったら出来るようになるまで頑張る。

 

・ミュージックビデオにも出演されていましたね。あのMV内の動きは、自分で自然にされたものですか?それとも演技?

ーあれはね、演技してるつもりだったんですけど、まわりからは、素でしかないよねって言われます。なのできっと素です、私です(笑)

 

・演技に興味を持ち始めたのはそのお仕事からですか?

ーいや、もうちょっと前ですね。CMのオーディションがなかなか受からなくて。20本受けて、やっと1本決まったのがロリエのCMがでした。あれも演技していたつもりなんですけど、素だよねって周りから言われて。CMを撮るときに、監督から「ぶち上げでいって」って言われたから、じゃあスキップだーって思って跳ねながらやってみたら、すごい素だねって周りから言われました(笑)実は後で聞いたんですけど、オーディションが終わった後の会議で、誰か最後に気になる人はいますか?という話になった時に、ロリエさん側が私のInstagramとかも見て下さっていたみたいで、田中さんが気になりましたって言って下さったみたいなんです。

 

・また、MV内で着用しているTシャツはご自身でデザインされたものだとか。

そうなんです。「spring has come」展と言って、同じ事務所に所属しているMarikoとMitsukoとやった展示会があって、その時のグッズとして作ったものです。

 

・今後、またデザインとかもやりたいなって思われたり?

そうですね。挑戦することは、すごく好きなので。頭の中で、考えることがすごい好きなんですよ。妄想族というか。だから、頭の中ではいつも人が動いていて、3Dでなんかしらやっていて。アイデアとかを閃いた時に、やりたい!って思ったらすぐ誰かに投げ掛けるようにはしていますね。自分で完結して出来るものは、自分でやっちゃうけど、写真だったりとか、もっと得意な人がいたら、その人に。そこはね、ちゃんと企画として繋げて、企画書作って、こういうのやりたいんだーって説明して。やりたい人がいたら、一緒にやる。第一印象も大事だと思ってるから、企画書を作り始めたら、デザインとかも凝り始めちゃうんです(笑)

 

06_Ne-net_shentanaka

Né-net 2015-2016 Autumn/Winter Collection(祥伝社 刊) 撮影:上原朋也

07_WWD 15 FALL_shentanaka

WWDマガジン2015年秋号 撮影:五十嵐瑛仁氏(TRON management)

08_souen_shentanaka

装苑5月号(文化出版局) 撮影:菊地哲(ダイナミック)

09_PEAK_shentanaka

PERK 7月号 撮影:土屋文護(TRON management)

 

・プライベートなこともお聞きしたいのですが、好きなブランドはありますか?

ーPRADAとmiu miuが好きです。ミウッチャ・プラダがすごく好きなの!趣味が貯金なんですけど、1シーズンに一個だけはアイテムを決めて一生懸命働いて買います。もう、支払いのときにハーハー言いながら現金差し出すみたいな(笑)でも、そのときめきは忘れちゃいけないなって思います。忘れたらこの業界にいる楽しみがなくなっちゃうからね。

 

・パーティーなどは、よく行かれますか?

ーあまり行かないですかね。行くときはちゃんと着飾るじゃないけど、雰囲気に合わせていこうとは思ってますね。モデルは撮影されたり、求められる部分もあると思うので。あと純粋にファッションが好きだから、着飾りたいってのもあると思います。ファッション業界が、もっと着飾ることを楽しんだ方が楽しいのになぁって思ったりもします。服はバランスじゃないですか。着ようと思えばカジュアルにもアッパーにも着れちゃう。だからこそパブリシティーがある場所で、モデルとかがちゃんとドレスアップした方が良いだろうなって思っています。

 

・そういったバランス感覚ってどうしたら身につけられると思いますか?

ー私とか、よく柄×柄×柄で歩いてたりしますけど、似合っちゃえばOKだと思う。やってみないと、失敗しないと、自分のものになっていかないから。だって昔の写真とかを見るとひどいのいっぱいありますよ。だからきっと、失敗して学ぶんです。既製服をそのまま着るのが一番ダメだと思うんですよね。既製服って9号サイズっていうボディに合わせて作っているわけで、誰にでも合う服じゃない。そうなった時に、じゃあ裾が2センチ違うとか、この紐がもうちょっと短い方が良いのかとか、袖がもうちょっと詰まった方が良いのかもって、ファッションごっこをしているうちに自分のバランス感覚が、できるようになってくるんじゃないかなって思います。

 

・では、最後にプライベートも全部含めて、今後の展望は?

ーうーんなんだろう結婚?結婚ありますかね?(笑)今まではデザイナーになりたいっていう目標があったから、なんか夢がないんだよねとか、目標がないんだよねっていう人の気持ちが全く分からなかったけど。今、自分がこうなって、明確なやりたいってことがなくなって、自分が興味があることに足を踏み入れてみていて、でも、着地地点がまだ見えてないから、そういう着地点を色々と興味をもったことをやりながら、探したいです。何がやりたいかを探す旅にでます!変わることを恐れないことですよねきっと。変わることを恐れてたら、多分そこで進化は止まっちゃうから。でも変わらないでいたい部分っていうのは、何事もやらずに決定づけないこと。やってからとか、見てから、聞いてから、ちゃんと自分の考えを出す。溢れてる情報からちゃんと自分で選んで。

 

shen tanaka_2P_3 shen tanaka_2P_4 shen tanaka_2P_5

PHOTO_Ena Kitamura

■BE NATURAL / eva management

http://www.bnm-jp.com/

 



CONTENTS