BIO ARTの進化「ヒストポリス-絶滅と再生-展」をGYRE GALLERYにて開催 地球史における人類の存在理由を作品を通して未来的展望にいかに結びつけていけるかを紐解く

BIO ARTの進化「ヒストポリス-絶滅と再生-展」を、6月8日から9月27日までの間(※コロナウィルス感染症対策の影響により会期が変更する可能性があります)、GYRE GALLERYにて開催。人工知能やゲノム編集、原子力発電(1963年日本初の原子力発電実施)などの到来は、今や科学技術が政治、経済、生活、制度など社会組織のあらゆる側面にかつてないほどの影響を与えていることを証しており、人類の様々な課題を解決すると同時により複雑な問題をも派生させている。そして、ウイルスを原因とする伝染病は、約12,000年前の新石器革命で人間の行動が変化し、人口が密集した農業共同体が形成されて以来始まった。中国で流行し始めた呼吸器疾患に関連するウイルスのゲノム塩基配列について報告する論文が、今年の2月に総合学術雑誌『ネイチャー』で発表された。このウイルスは、呼吸器疾患の初期症例に関係する海鮮市場で働いていた患者から分離されたと言われている。そのゲノムの解析により、中国で生息するコウモリにおいて同定されていたSARSコロナウイルス群に近縁なウイルスであることが明らかになった。これが現在世界規模で蔓延しつつある新型コロナウィルス。この状況下で、今、なぜ本展覧会が開催されることとなったのかという意味と問いを投げかけていく。本展は、ゲスト・キュレーターとして髙橋洋介氏を迎え、監修者の飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長/ジャイル・ギャラリー ディレクター)とともに企画構築したもの。工学的にデザインされた、これまでとは別の次元の自然が立ち現れつつある。それは同時に、技術が生命や生態系に溶け込み、あらゆるものを侵食していく現代において、人間が”絶滅”の危機といかに向き合うかを問いかける。さらに、カオスの中で変態する時代状況の一端を映し出し、地球史における人類の存在理由を参加アーティストの作品を通して未来的展望にいかに結びつけていけるかを展覧会の主旨としている。最後に果てしなく展開していく科学技術に対する警鐘を鳴らすことを忘れてはいけない。1986年のドイツでエネルギー問題や原子力発電の是非が議論されていた頃、社会学者のウルリッヒ・ベックは、科学技術が生み出した危険を科学技術によってコントロールする私たちの社会のありようを”危険社会”と名付け警告したことを記憶に刻んでおきたい。「3.11」以降、原発をはじめとして高度技術によってもたらされた様々なブラックボックスが日本に遍在していることは、人々の将来的な不安対象となりそして、今や新型コロナウィルス(COVID-19)の感染蔓延が喫緊の課題となっており人類の絶滅と再生、さらに「ネクロポリス(死者の都市)」と「ヒストポリス(生命を宿す都市)」の問題を現実的に浮かび上がらせている。BIO ARTの進化「ヒストポリス-絶滅と再生-展」で、今後の生活の在り方を考えてみてはいかが。

Photo:Shino Yanai ©2017 Yakushimaru Etsuko

■ヒストポリス-絶滅と再生-展

2020年6月8日(月)~9月27日(日)GYRE GALLERY/GYRE 3F(東京都渋谷区神宮前5-10-1)にて開催

出品作家:やくしまるえつこ、ジャリラ・エッサイディ、Synflux、BCL/Georg Tremmel、ガイ・ベン=アリ、須賀悠介

gyre-omotesando.com