ANNA SUI FALL 2020 COLLECTION「GOTHIC VAMP(ゴシック・ヴァンプ)」ゴシックカルチャーのエッセンスを少し加えた夜のグラマラスな世界をシネマチックで誘惑的なアナ スイの優雅な世界の中に表現

ANNA SUI(アナ スイ)2020年フォールコレクション「GOTHIC VAMP(ゴシック・ヴァンプ)」。GOTHIC VAMPとは、ゴシックカルチャー(gothic)とヴァンパイヤ(vampire/吸血鬼)から成り立つ造語。今回のコレクションは、ゴシックカルチャーのエッセンスを少し加えた夜のグラマラスな世界。その世界を、シネマチックで誘惑的なアナ スイの優雅な世界の中に表現している。私は昨年の夏にニューヨークで行われた、イタリアのミステリーフィクション映画のジャンル「Giallo(ジャッロ)」の映画祭で数々の映画を観る機会があった。その中でも、Mario Bava(マリオ・バーヴァ)監督の「Blood and Black Lace/モデル連続殺人!」や、女優Dalila Di Lazzaro(ダリラ・ディ・ラザーロ)が主演を務めるFlavio Mogherini(フラヴィオ・モゲリーニ)監督の「Pyjama Girl Case/黄色いパジャマの少女」など、遊び心あるダークなシュールレアリズムが特徴的なホラーサスペンス映画が特に印象に残った。シャグヘアースタイルが素敵なダリラ・ディ・ラザーロは、70年代のFrench Vogueの表紙に登場していたことや、Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)監修のホラー映画に出演していたこともあり、私にとって非常に思い出深い存在。その他に今シーズンのインスピレーションとなったのは、女優のDelphine Seyrig(デルフィーヌ・セイリグ)が出演するベルギーのホラー映画「Daughters of Darkness/闇の乙女」で見かけたマキシー・コートや合皮ビニール素材のニーハイ・ブーツ、Hammer films(ハマー・フィルム・プロダクションズ)の怪奇な映画。ハマー・フィルムの映画は、Christopher Lee(クリストファー・リー)やPeter Cushing(ピーター・カッシング)のような魅力的な俳優が出演していることで、流血シーンがあるホラー映画に明るさをもたらしている。怖さよりむしろユーモアや華やかさ、そして色っぽさを感じることができる映画であり、今シーズンのコンセプトを考えるきっかけともなった。今季のムードボードは私が集めたこれら映画のポスター画像でいっぱいになり、それらの画像のコラージュから見えてきた、ブラックとホワイトの中に散らばるパープル、レッド、シャルトルーズ・イエローや、ダーク・グリーンが今季のカラーパレットの特徴。また偉大なフォトグラファーでアーチストでもあるSerge Lutens(セルジュ・ルタンス)やGuy Bourdin(ギイ・ブルダン)が、ジャッロ映画のライティング等と似た撮影技法を用いていたことや、映画「Crimson Peak/クリムゾン・ピーク」やTim Burton(ティム・バートン)監督の映画「Dark Shadows/ダーク・シャドウ」のような、現代のホラー映画にも通じる美的センスを持ち合わせていることから、今季のインスピレーションに取り入れることにした。そしてムードボードには、私のお気に入り、アンディ・ウォーホル監修の映画「Blood for Dracula/処女の生血」や「Flesh for Frankenstein/悪魔のはらわた」の画像と、1974年にBritish Vogueに掲載された、メイクがセルジュ・ルタンス、フォトグラファーがEric Boman(エリック・ボマン)の黒いベールをまとった女優Bianca Jagger(ビアンカ・ジャガー)の画像、私が愛してやまないこれらの画像を添えて、今季の全体の雰囲気を作り上げた。今回のコレクションで注目なのは、インスピレーションとなったホラー映画のポスターのカラーパレットを全て使いデザインされたプリントで、faux fur coat(ファックス・エコファー・コート)やドレスに使用されている「Poppy Road(ポピー・ロード)」。その他にも、レタスヘムが施されたランジェリー・メッシュ生地に使用された「Roses are Red(ローゼズ・アー・レッド)」のプリント、ホラー映画「Phantasm/ファンタズム(1979年)」からインスピレーションを受けて名付けられた、クレープデシン生地やアウターに使用されている「Phantasm Garden( ファンタズム・ガーデン)」のプリント、また、パープル、オレンジ、ブラウンの3色のフローラル・プリントのパファー・ジャケットや、モヘヤ素材とプリント・フリースを合わせたジャケットなどのオススメのアイテム、そしてブラックのレースと組み合わせた黒のビニール素材にアイレット刺繍が施されたお気に入りのドレスも。今季はリバティ・プリンで有名な「Liberty/リバティ(ロンドン)社」と「Teva/テバ」とのコラボレーションを行い、今季から発売になるリバティ・プリントの「Botanist Diary/ボタニスト・ダイヤリー」を使用したドレスや靴も登場。イブニングのカラーパレットには、Dark Transylvania greens(ダーク・トランシルヴァニア・グリーン)や、Shimmering blacks(シマリング・ブラック)、そしてPassionate purples(パッショネイト・パープル)をセレクト。ケープやマキシー・コートの下に、これらのカラーを使用したブロケード、ジャガード、クラッシュド・ベルベット、クリンクル加工されたラメ糸のルレックスなどの素材をレイヤーで入れ、手袋やベールの付いた帽子を合わせたのが今季のスタイリングの特徴。また、ハマー・フィルムから影響を受けた、きらびやかでグラマラスなエッセンスを加えたパフスリーブの、ペニョワールとネグリジェをレイヤーで組み合わせたアウターも注目アイテムのひとつ。今季のシューズやバッグには、シューブランドの「John Fluevog/ジョン・フルーボグ」がきらびやかなクラッシュド・ベルベットやクラッシュド・パテントレザーの素材を使ったマンスター・ヒールを、グラニーシューズやブーツでリバイバル。その他にも、クラッシュド・ベルベットを使ったブーツや、アナ スイのランウェイで使用したプリントを取り入れたプラットフォームシューズやハンドバッグも登場。そしてアクセサリーも、忘れてはならないアイテムのひとつ。もしも吸血鬼に捕まってしまうとしたら、Erickson Beamon(エリクソン・ビーモン)の宝石で飾られたチョーカー着けている、そんなスタイリッシュな”ゴシック・ヴァンプ”に捕まりたいと思うはずだから。ヘアーのディレクションはGarren(ギャレン)。1940年代のスタイルを取り入れながらも70年代風にスタイリング。メイクのディレクションはPat McGrath(パット・マグラス)。青白く透き通っても見えるスキントーンに、深い色味と鮮やかでジューシーな唇を表現、ヴァンパイヤの魔性感を表現した長くタレ目なアイラッシュと、玉虫色のアイシャドウをまぶたに広く入れたアイメイク、仕上げに上品なラメ入りキャットアイ・フレームのアイウェアで、ランウェイにアクセントを吹き込んでいる。

 

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