TOD'S 2020 SPRING/SUMMER WOMEN'S COLLECTION「Italian Timeless」ミケランジェロ・アントニオーニ監督ディレクションによる女優モニカ・ヴィッティの内省的な役柄が着想源

TOD’S(トッズ)の2020年春夏コレクションは「Italian Timeless(イタリアン タイムレス)」。映画「情事」「太陽はひとりぼっち」や「赤い砂漠」が公開された頃、ミケランジェロ・アントニオーニ監督のディレクションによる女優モニカ・ヴィッティの内省的な役柄は、全く新しい一種の女性らしさを確立した。その女性像やエレガンスは今やタイムレスなものだと理解され、今回のコレクションの着想源となっている。トッズが提唱するクラシックモダニティは、クリーンなラインと上質な素材、鍛錬を重ねたアルチザンによる熟練した手仕事により描き出された。オリジナリティあふれるクラフツマンシップは、コスモポリタンなアイテムを生み出す。レザーがその主役となり、あるものはタイダイで染められ、またあるものはスパンコール状にカットされ、滝のように流れるような模様を描き出している。ポニースキンをマクラメに編み、ナッパの象嵌細工からプリーツが折られ、そのレザーはどれもサテンのように柔らか。ブルゾンジャケットはシャープなシルエットに仕立てられ、ゆったりとしたオーバーコートはアナコンダやゴム引きのレザーにて表現。要所に見られるゼブラプリントは、コレクションに鮮やかでエキセントリックな風合いをひと匙加えている。カラーパレットはナチュラルなレザーの色合いにグラフィカルなブラックやホワイトを対比させ、落ち着いたパステルがそれを和らげたり、ブライトカラーのアクセントが一層際立たせたりしている。アクセサリーで注目すべきは、サドラリー(馬具製造)の技法とそのクラフツマンシップ。サン・クリスピーノ・ステッチ(製靴に用いられる卓越した珍しい技法)が、キトゥンヒールのスリングバックやスリッポンのテーパードしたシルエットを強調。製品を作る際の細部にまでこだわる技術が、コンテンポラリーなスタイルの特色となっている。メタリックレザーやゼブラをプリントしたポニースキンを用いたラウンドトゥのローファーは、ブランドを象徴するデザインの一つを再確認させる。アイコニックな「T」の文字はアーカイブからの復刻で、コレクション全体に登場。ハンドバッグの留め具やドライビングシューズの上に、あるいはバックルとしてトッズというブランドを強調し、個性を演出する。この新たな「T」はトッズを意味すると共に、Tradition(伝統)、Talent(才能)そしてTime(時間)の「T」でもある。サヴォアフェールとは、現代における個性を正確に表現するもの。Talentは成長の過程で育まれる財産であり、モダニティとはTimeを超越する概念を捉え、のちにTimelessとなる。こうした試みは、イタリア流の物事の進め方に本質的に備わっているもので、芸術であれ、工芸であれ、映画や衣装デザインの分野でも、伝統に基づいて未来が形作られる。