CHRISTIAN DADA AUTUMN/WINTER 2019-20 COLLECTION「SIGNAL NOISE」性·人種·国籍·セクシュアリティ·身体障害など社会が直面する問題を映像·音響·パフォーマンスなどにより独自の表現方法で提起

CHRISTIAN DADA(クリスチャンダダ)2019-20秋冬「SIGNAL NOISE」コレクション。80年代に京都で結成された日本のアーティストグループ、Dumb Type(ダムタイプ)の代表作でもあるパフォーマンスアート作品「S/N」(1994年·初演)から多大な影響を受けたというデザイナー森川。今シーズンは性·人種·国籍·セクシュアリティ·身体障害など社会が直面する問題を映像·音響·パフォーマンスなどにより独自の表現方法で提起する同作品に呼応するようにそのキーワードになぞらえたテーマで表現された。現代社会における全ての境界線(ボーダー)の歪みや掠れ、偏見や二極性、故の混沌を沈思する森川に、それらがなくなる事を夢見るという「S/N」の中で繰り返されるメッセージはダイレクトにリンクし、スティッチ幅や色の細部にまでこだわったディティールに装飾、分子をモチーフにした大胆なグラフィックをはじめとするオリジナルのプリントを多用することでカオティックさの中に一筋の希望を見出すようなコレクションに。(マイノリティとは何なのかー)人間の多様性や異種混合を表すかのようにカットやシルエットの種類に幅を持たせ、ルースからタイト、オーバーサイズのメンズアイテム、ウィメンズではブランドのシグニチャーであるオフショルダートップスに長めのフレアパンツなど性差やそれに伴う様々な形態を思わせるなかで、セットアップに張り巡らされたテープのラインは同時に内面的には差異のない人体を追求するかのようにそのラインをなぞる。ランウェイでみせる色展開もまたブラックからラベンダー、ブルー、深みのあるグリーンにアシッドグリーンとカラーバーのニットはオンライン/オフライン、放送用のテストパターンを思い起こさせ、コレクションタイトルSIGNAL NOISEが提案するようにノイズやカオスを思わせるコラージュプリントに人体のサーモグラフィーモチーフのプリント。中でもダイレクトなメッセージを込めたポエムが織り込まれたジャガードは画面に現れるノイズラインを彷彿とさせる印象に。移りゆく時間の経過を表現するかのように経年変化を加えたブランド定番のフロックデニムに新たに加わったのはクラックコーティング加工のシャツジャケットとパンツ(メンズ)に加工のスカート(ウィメンズ)。肩や腕の所々にあしらわれる自由のシンボルである羽モチーフの刺繍、タイダイのフリースの胸に走るDREAMERの文字刺繍は多様な要素をまとめ上げ、生や未来に対しての希望をも包括した「混沌」を森川らしい表現で描いたコレクションとなった。