マリエ × 水嶋和恵が語るファーの魅力とは? IFF主催グローバルイベント「Asia Remix 2016」に潜入

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人類生存に必要不可欠であった毛皮(ファー)の歴史はとてつもなく深く、長いものですが、インターネットが普及したこの20年ほどでコミュニケーションツールはSNSになり、デジタルネイティブが誕生するなど私たちのライフスタイルはよりスピーディーに、より大きく変化しています。さまざまな技術が発達し続ける変革の時代にこそ、“服装の起源”であるファーの魅力を改めて考えてみることで、これまで思いつかなかったようなデザインなど新たな発見に出合う事ができるかもしれません。ここでは、International Fur Federation Asia Region(国際毛皮連盟アジア地区)が主催するアジア新進デザイナー育成と毛皮デザイン発展の促進を担うグローバルイベント「IFF Asia Remix 2016 in JAPAN」をレポート。10年来の付き合いがあるというファッションに蜜月な2人、マリエさんとスタイリスト水嶋和恵さんのRETOY’Sスペシャル対談を公開します!

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ーファッションやスタイルのイメージソースは、日々どこでキャッチしているのですか?

MARIE:私も知りたい(笑)。和恵さんは自分の着たいものと、モデルに着せたいものって違うの?

KAZUE:同じ時もあるし、違う時もあるかな。海外の最新ランウェイを観に行くようにしてます!

MARIE:私は友達や色々な人と会って大好きなファッションの話しを沢山したり、友達が着ているものを見たりします。そこで良いなと思ったものや新しいものは、どんどん取り入れるようにしています。基本的にはちょっと気持ち悪い部分というか、「それにそれを合わせちゃうんだ!」っていう少しの違和感を出すようなスタイルが好きですね。

KAZUE:私も好き。人がやってないコーディネートになるしね!

MARIE:今日の服も一見スニーカーを合わせたくなる雰囲気だけど、フェミニンなファーシューズを合わせてみました。

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ークローゼットにはどんなファーアイテムがありますか?また、ファーを取り入れたスタイリングのコツは?

MARIE:私が一番最初に買ったのは、確かストールとか手袋とかだったかな?!そこから始まって色々なアイテムを集めてますね。

KAZUE:コートとかアウターで取り入れるよりも、私はコーディネートのワンポイントにするのが好きかな。

MARIE:今日履いているファーシューズは、和恵さんから誕生日に頂いたものなんです。7年くらい前かな?定期的にお手入れして、今でも大切に履いています。NY留学中も活躍していましたよ!

KAZUE:大切に長く持っていてくれて、すごく嬉しい。ありがとう!

 

ー毛足の長さや色など、種類はたくさんありますが。

MARIE:種類でいうとムートンが好きですね。古着屋さんで買う事が多いです。

KAZUE:私もヴィンテージがほとんどです!

MARIE:お店で買うと何百万円もするものもあるけど、ヴィンテージならそこまでの価格ではないですし。お気に入りのショップを見つけると、どこでも見に行っちゃいます(笑)。もちろん海外のショップもチェックしてます。

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ーファーはタイムレスな部分も魅力の一つだと思いますが、ご家族や姉妹などの間で譲り受けたものや、代々使っているものなどありますか?

MARIE:おばあちゃまから母へ譲られたものがあるんですけど、それが私に来るのを密かに待ってます(笑)。時代のあり方で変わりつつはあるけど、ファッションで見た時、海外の方は“ファーへの受け入れ”があるし、着こなしがすごく上手だと思います。日本とは気候が全く違うというところもあると思いますけど。結構大胆に羽織ったりしているのもかっこいいと思います。

KAZUE:長い時間、動物と人間が共存していくっていうのは大切な事だよね。ただ、ファーアイテムひとつ作るにしても今は「選択できる」時代だと思う。ファーをリサイクルしたり、リメイクしたり、その手段、方法はさまざま。

 

ー例えば、加工技術も昔とは違いますもんね。

KAZUE:そうそう。動物から自然に抜け落ちた羽や毛を使ったり。

MARIE:飲食界ではすでに時代に合ったアプローチがあって、「循環していく。共存していく。乱雑に扱わない。」という仕組みで作られている。私はファーが大好きだし、これからもたくさん使いたい。だからこそ、プロセスを知り、今の時代に合った生産方法を考えることもあります。

KAZUE:もし毛皮(ファー)がなかったら寒さで人間は生きてこれなかったかもしれないし、共存してくことはとっても大切なことですよね。

MARIE:実際に自分でブランドを作る上で色々な工場へ行く機会もあるので、より考えるようになりました。ファッション、飲食とかを別々に分けて考えたりせず、全体をみることで視点が変わると思う。本を読むだけじゃなくて、実際に足を運んでわかったこともあります。昔からファッションが好きだったので、しっかりと取り組む時は軽い気持ちじゃなく、ディテールからこだわりたいと思っています。

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ー水嶋さんは今回のイベントで日本初上陸ブランド「ディサヤ」とコラボレーションしていますが、スタイリングのポイントは?

KAZUE:「ディサヤ」は植物の刺繍とかプリントの中によく見るとヒョウが隠れていたりしていて、今回伝えたいメッセージとリンクするようなアイテムが多くあったのでタイアップさせて頂きました。コレクションこそ参加していないけれど、クオリティが高く、素材パターンが豊富にあるので、一点一点しっかりと見て欲しいと思いました。日本初上陸のブランドなので、そこもワクワクしましたね。3Dみたいに見えるルックがあって、それが1番印象的です。森の奥に行っている様な(笑)。ショーにとって音楽も大切なので、今回は地球保護についてメッセージを表現したコールドカットの「ティンバー」を演出家さんへリクエストしました。演出家さんにも共感していただきましたし、ショーのライブ感、刹那が好きだと改めて感じました。やっぱり音によって服の見え方が違ったりするんですよ、本当に。ショーをみんなでつくり上げるのも一つの楽しみですし、すごくやりたいと思っていときにちょうどオファーが来たので、嬉しかったです!

MARIE:早く観たい(笑)!

 

ーそれぞれが芯のあるクリエイターであるお二人。今後の具体的なビジョンがあればお話いただけますか?

MARIE:(ローンチを控えている)自分のブランドについては、この後それがスタンダードになるとかは別として生産背景などゼロからやっています。今の時代にあった新しいアプローチを模索中です。

KAZUE:新しいやり方で空気の入れ替えしないとね!

MARIE:今年の冬にはみんなに見せれたら良いなと。自分が作った瞬間に思うのは、たくさんの人に着て欲しいということ。早くみんなに届けたい気持ちでいっぱいです!

KAZUE:私はちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。自分が発信するファッション(=アート)、クリエイションを見てハッピーになって欲しいです。「もっとワールドワイドに表現をしていかなければ!」という使命感がありますね。

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