「大人と少女の間」が永遠のテーマ モデル田中シェン スペシャルインタビュー

shen tanaka_1P_1

田中シェン/Instagram: shen_tanaka

H 169cm / C 82cm / W 60cm / H 88cm / S 24.5cm (eva management所属)

shen tanaka_1P_2shen tanaka_1P_3 shen tanaka_1P_4

PHOTO_Ena Kitamura

 

・小さい時どんな子だったんですか?

ー小さい時は、漫画家になりたくて、毎日漫画みたいな絵を描いていました。でも、ある時「やばい、ストーリーのセンスがないって」気付いたんです。それでも絵を描きたくて、、、得意なのは絵で、好きなのは絵だったから。鹿児島に住んでいた小学4、5年生の頃かな、毎日のように絵を描いていた頃、ある日大阪から転校生が来たんですね。それまでは、お母さんがスーパーとかで買ってくる洋服を着ていて、太陽とか書いてあっても気にしないような。そんな小学生ばっかりだったのに、その大阪から来た女の子は、ヒステリックグラマーとか、スーパーラバーズとか当時流行っていたブランドのお洋服を着ていて、キラキラして見えたんです。その時に、服ってこんなに違うんだって素直に感じて。あ、服作る仕事って、、、絵が描けるじゃん!って思ったんです。絵を描いていればいいじゃんみたいな(笑)

 

・最初はデザイナーになることが夢だったんですね!そこからモデルになったきっかけは?

ーそう、だから大学から専門までファッションの勉強をして、企業に入って、企業デザイナーになりました。でも、現実と夢とのギャップを感じちゃったんです。これがやりたかったことかなぁって。会社で、その頃”販売促進”というポストがあいていて「そこ自分が適任だと思います」って上司に直談判したんです。そしたらやる気をかってくれて、入って1年で販売促進の方に移動しました。紙媒体とか、他のブランドとのコラボレーションだったり、ブランドのLOOK撮影や制作などに携わっていました。わー、好きなカメラマンさんに頼めるとか、好きなスタイリストさんに頼めるとか、デザイナーさんはこの人にしようとかワクワクしてたけど、実は予算があるから全く実現出来なくて。でも、撮影に立ち会う内にどんどんのめり込むようになりました。興味を持ったんでしょうね、そっちの世界に。だけど、現実主義者だからモデルとは思ってなかった。老後も心配だし(笑)そんな時ちょうど、知り合いのスタイリストさんに他ブランドのWEB撮影のモデルをやってくれないかって頼まれたんです。自分で良ければやりますよってやったのが一番最初のきっかけ。そしたら、今の事務所のマネージャーがスカウトしてくれて、初めの3ヶ月間はWワークじゃないけど、土日だけモデルを始めました。有難いことに忙しく仕事が入ったときは、もう何週間も休みなしで働いていましたね。最初モデルの話をもらったときは、ただただラッキーって思ってたんです。趣味として、モデルもやれて、販売促進の仕事にも繋げられるじゃないですか。だから、スタッフさんとか、駆け出しの情熱を持ってる子とかと出会うことが目的でした。でも、モデルとしてやっていくうちに、今しか出来ないことは今、ちゃんと取り組もうって思ったんです。

 

・よく言われるかもしれないですが、お仕事のお写真を見ると、すごく独特な雰囲気というかアンニュイな雰囲気をお持ちで、そこも魅力だと思うのですが、ご自身的にはどう思われていますか?

ーこの前ヘアメイクさんに言われたんですけど「あんたの顔は、可愛くも綺麗でもないけど、オシャレよね」って(笑)あぁ、みんながアンニュイって言ってくれるのは、そういうことかぁって思った。だから、いわゆる綺麗って顔でもないし、可愛いって方でもないけど、服が似合う顔で良かったなって思いますね。

 

・自分が思うイメージと、人が思うイメージって違うのかもしれないですね。

ー私、個人はすごく可愛いものが好きなんですよ。永遠のテーマが「大人と少女の間」なんです。大人になりすぎない、子供っぽくもなりすぎない。そのちょうど間ぐらいに生きていたいなって思う。なんとも言えない雰囲気が出るから、そこが一番魅力的だと思うんです。でも私の顔って、カメラマンさんやヘアメイクさんは、大人っぽい方とかカッコイイ方とかに持っていきやすいんだと思う。そういう顔なんでしょうね。骨格ですかね?(笑)だからInstagramの方は、自分の好きな可愛い世界に持っていっちゃう。そこにギャップが生まれるみたい。そのギャップに悩んだ時期もありましたけど。だから、そのアンニュイっていうのが、広く私だと思ってもらえればいいなって思ってて、可愛い方にも持っていけるし、カッコイイ方にも持っていけるんだよって。作り手のイマジネーションの元になれるといいな。影響を与えられる人になりたい。

 

・引き出しがたくさんあるというのは素敵なことですよね。

ーそうですよね。だから、自分の中に入れる情報は偏りがないようにしなきゃいけないと思っていて、普段出ていない雑誌もちゃんと読むようにしています。ポージングの参考にしたりとか。カールラガーフェルドが言ってたけど「シックかシックじゃないかはあなたが決めることではない。知らないでそれを否定することは、とてもだめだ」って。お仕事は、赤文字系もたまにやるし、モード系も。何系でもできるようにいたいと思います。撮影では、切りとってくれる人に、いかに撮りたいって思ってもらえるポーズがとれるかってことだと思うから。ダンスとかやってきた子の方が強いと思う。ポーズをきめるのが上手いから。だから、そういう子たちを見ると自分も足りないことが多いと感じて、やりたいことがどんどんでてきちゃう。人生時間が足りないなって思うんですよね。例えばカメラマンさんにマイゼルっぽいのが撮りたいって言われた時に、マイゼルを知らなかったら始まらないんですよ。一つ情報があるだけで全然違う。その会話が出来るってことだけで、こういうのもちゃんと知ってる子なんだなってインプットされるから。でも、演技の世界では、まだまだそれができなくて、女優さんとか監督さんとかと話してても全然ついていけなくて。映画やドラマなど見なきゃいけないリストが膨大な量なんです。しかも、見てる視線が全然違う。誰の演技がよかったとか、あの仕草が良かったとかね。まだまだインプットしたいことが、たくさんあります。

 

01_ELLE_shentanaka

ELLE 7月号 撮影:TISCH(高橋事務所)

02_GARDEN_shentanaka

GARDEN 2014 SS Collection 撮影:佐野方美(TRON management) Hair/Make:Yusuke Kitada/Tomomi Enomoto(GARDEN)

03_Liniere__shentanaka

Liniere 8月号 撮影:Yusuke Moriwaki

04_marble SUD_shentanaka

marble sud 2015 S/S catalog 撮影:山本恵太

 

・お仕事する上では、どういったことを大事にされていますか?

ー元々、スタッフ側にいたからですかね?スタッフの方が仲良くなっちゃうんですよ。きっと興味があるんでしょうね。セレクト一つにしても、自分が良いと思ってるものと、周りが良いと思ってるもの、客観的に見て良いと思うものって違うから。周りから見た時には、こういうのが良いんだなって思う。こういうイメージなんだなってわかる。だから、謙虚な気持ちを忘れないことを大切に、第一に考えていますね。現場によってはモデルをすごく持ち上げて下さることもあって。私からしたら、みんなが一生懸命会議して、企画を考えて、よし後は撮影だけだっていうとこのおいしい所をとってくのがモデルじゃないですか。自分は、そうじゃなくて、一緒に作っていきたいって気持ちが強いんです。モデルとして特別な人扱いをされるよりも、一緒に作りたいって思っていて。だから、スタッフさんにはすごく話しかけます。香盤表をもらったら、絶対にスタッフさん一人一人の名前を覚えていくのと、コンポジットとか、ウェブサイトとかがあったら絶対にチェックして、その人がどういう人かというのを頭に入れた上で会話するようにしています。

 

・名前を覚えてもらえたり、自身のことを知った上で話してもらえるのはとても嬉しいと思います。

ーだって同じ人間だもの!何もかもしてもらえて、全部当たり前のように思えてる人が嫌だったんでしょうね、、、そんな風にはなりたくないなって思って。撮影は現場に入った時からだと思うので、どうみんなと会話して、打ち解けるか。話しかけやすい雰囲気があるとやっぱり仕事もやりやすいし、意見も言ってもらいやすいと思うんです。たまにカメラマンさんも色々な方がいらっしゃるので、ひたすらシャッター押さない方とかがいて、こっちも色々探って、こうかな?こっちの方がいいかな?って色々やってみるけど、ひたすら押してくれないみたいな(笑)もうそういう時は、明るく言っちゃいます「あれ?今日何撮るんでしたっけ?」「あれ?モデル間違えた?」って(笑)そういうのもコミュニケーションだと思うから、喋りながら押してもらえれば、あぁこういう感じねってわかるじゃないですか。ポーズをとるのではじゃなく、いかに素敵に動くか。シャッターを押す時にもコミュニケーションがあって。モデルを乗せるため、上げるためにシャッターを切る人もいる。きっと、色んな人がいっぱい人がいる中で、最終的に自分を選んでくれる理由が「この人との撮影は楽しかったね」「楽しかったし良い仕事できたよね」ってところになると思うんですよね。自分だったら絶対にそっちを選ぶと思うから、最終的には人と人とのコミュニケーションや繋がりが大切。人と仕事をしてるから、人らしく。モデルだなんだって言う前に人だと思うから。

 

・そういう考えだから、モデル以外のお仕事にも繋がっているのかもしれないですね。

ーそう。でもね、そこもまた実はコンプレックスがあって。モデル以外の仕事が目立つことも中々恐いもので、モデルっていう仕事がまだ確立できてないにも関わらず、絵だったりとか、空間デザインとか、そっちでも仕事を頂けたりしていて。だから、モデル以外のお仕事が先に目立ってしまうと、ついでにモデルをやってるんだ、みたいに思われることもあって。初対面で「イラストやってる方ですよね?」と言われたこともありました。ちょっと悲しいけど、その人が素直に受けたとった印象がそれだったってことですよね。仕事を辞めてついた仕事はモデルだから、まずはモデルという仕事を先にちゃんとやりたい。で、その上で趣味の延長でコラボレーションさせてもらえるのが、デザインだったり、絵だったりの仕事だと思っています。だから、まだ知り合いの方としかやらないようにしています。例えば、ブランドさんのカタログでモデルのお仕事をさせて頂いてという繋がりがある上で、ショップのオープニングイベントのライブペインティングをオファーされたりとか。

 

・モデルの仕事をまずは、実直に取り組みたいということですよね?

ーモデルとしての仕事があって、その上で色々なお仕事が頂けて、有難いなぁって思います。私自身も作ることは好きだから、本当に自分がこの人とやりたいなって思ったスタイリストさんや、カメラマンさんには自分から声をかけて、事務所に電話してモデルも集めて作品撮りをしたりします。アートディレクターにもすごく興味があるから、仕上げのグラフィックとかは自分でやって。で、完成した作品をみんなと共有して、もっともっと面白いことやりたいなとか、反省したりとか。モデルの仕事にも繋がってくると思うんですよね。自分がもしモデルだったらこうした方がいいんだろうな、とか客観的に見られるようになるかなって。きっと、まだ自分のアイデンティティーが分からなくて、自分自身の中でまだふっきれてないんだと思うんです。ある日突然、全部自分なんだって思える日がくるのかなぁって。ふっきれた時、全部ひっくるめて自分なんだって思えてからの仕事はまた変わってくるのかなって考えたりもします。モデル以外の仕事も、やりたくてもやれる仕事じゃないから、求められることは純粋に嬉しいです。求められる存在になりたいし、でも消費されるのは嫌だし。難しいですね。

 

・セルフマネージメントの部分は、誰しもが難しいと感じるのかもしれないですね。

ーInstagramとかを見てくれて、周りからはセルフマネージメントが上手いよねって言われるけど、本当にそれであっているのかどうかも分からないから、試行錯誤してやっています。今はツールがいっぱいあって、でも増えた反面、できる子、できない子、やる子、やらない子、が出てくるし、絶対的にそれが正解なのどうかも分からない。一人だと客観的に見れないから、自分では自信を持って出してるつもりだけど、不安はありますよね。自分が選択したことに絶対後悔はしないって思ってるけど。周りが、怒ってくれないと不安というか、、、ね。そういう意味では、ホームである事務所が親的な目線でいてくれて、マネージャーさんに意見を求めたりすることもあります。もっとマネージャーさんと話をする時間が欲しいですね。CMのオーディションに行った時、やっぱりもっと演技が出来ないとだめだと思って、すごく悔しい思いをしたんです。だから、マネージャーに「私、演技のレッスンとか行ってもいいですか?」って言ったんです。そこから事務所でやっている演技レッスンを受けることにして。でも思いのほか、自分が思ってる以上に出来なくて。感情を出すこととか、伝えることとか、表現が今までは静止画だったけど、2D、3D、4Dになるってこういうことなんだなって、もどかしく感じました。でも、やらないことが一番嫌いだから。他人任せにしてチャンスを逃すとか、絶対にそんなことしたくないです。これから自分をどうしていくか、選択の時期にもきているから、どういうレッスンを受けるか、時間があるときに何を習得しておくべきかとか。まだモデルの仕事も1年ちょっとでまだまだだし、やりたい媒体も出来ていないし、やってみたい仕事もいっぱいあるから、それをしていきながらも、もっと貪欲に演技の方にも食い込んでいって、最終的に、自分が何になっているのかなって。

 

・本当に、何になっているんでしょうね?(笑)

ーやりたいこともコロコロ変わるからね。私はコロコロ変わる人って、全然悪くないと思う。むしろそうあるべきじゃないですか、人間て。日々アップデートされてくわけだから。だってその時の栄光なんて、その時でしかないから。武器が多いに越したことはない。できないって言ったらチャンスはそこまでだから。できるって言えた方が絶対強いと思うんです。

 

・モデルとして今後やってみたいことや目標などはありますか?

ーモデル田中シェンというキャラクターを確立したいですね。簡潔に言うと。まだまとまってないからですけど。表現者でいたいっていう。私自身じゃなくて、田中シェンがちゃんと確立できたらいいなって思います。毎年、3月に一年の目標を紙に書き出してるんです。1年後に答え合わせをして、出来てる部分も出来ていない部分もあって。今年も書いてみたら、もっといっぱい出てきちゃった。どんどん欲張りになってくる。私自身は、言霊をすごく信じていて、絶対言った方が良いと思っているんです。自分を追い詰めるじゃないけど、言ったからにはやらなきゃいけないってなるから。本当に叶えたいことは、言うと叶うし、そういう方向に向いていくんじゃないかな。応援してくれる人がいなければ、こういうことは成り立たないわけだから、応援してもらえるよう、人としてっていう部分は変わらずに大切にしていきたいなって思います。

shen tanaka_1P_5

PHOTO_Ena Kitamura

 

>> NEXT PAGE では、モデル以外の活動や、プライベートにも迫っています!