Sen スペシャルインタビュー「うまくならないこと、“普通”でいること。」

Sen スペシャルインタビュー「うまくならないこと、“普通”でいること。」

Sen(Instagram: sen_mitsuji_official  Blog: www.thisissen.com

H 185cm / C 93cm / W 75cm / H 90cm / S 28.0cm (BE NATURAL所属)
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PHOTO_Ena Kitamura

 

モデルとして日本のみならず海外のコレクションなどでも活躍する、シドニー出身、日本とオーストラリアのハーフのモデル・Senさん。最近ではモデル業の枠を飛び越えて、自ら写真や映像の撮影や制作などにも力を入れており、クリエイターとしての活動も注目を浴びる。今回のインタビューでは、そんなのモデルとしての一面、そしてクリエイターとしての一面を語っていただきました。

 

・デビューのキッカケはハチ公前?

—21歳の冬、日本に留学に来ていたんです。今でも覚えてるけど、冬なのにコンサート終わりで汗臭かった。渋谷がまだどんなところかも知らない時で、ハチ公前でスターバックスの抹茶ラテを飲んでたら、ちょうどBeauty&YouthのLOOK BOOKと広告のモデルをストリートキャスティングしようとしてたところだったらしく、当時スタイリストのアシスタントだった石井さんに声を掛けてもらったのがキッカケです。でもモデルなんて全くやったことなかったし、その時は大学もあったからすぐにモデルをやろうとは思わなかった。

 

・そこから実際にモデルになるまでの経緯は?

—そのままオーストラリアに帰って、若いうちには若い生活をしないとと思って。そこからとんでもない無茶ぶりで、首にタトゥーを入れて、1週間で日本に引っ越しました。親にはタトゥーに関してだけは反対されたけど、でもそれ以外は本当に自由にさせてくれました。渋谷で声を掛けられた時に、その現場で一緒だったモデルが今の事務所で、そのまま事務所に入って。

 

・いきなり他国でモデルとして活動することに対しての戸惑いは?

—なるべく直感で生きようとはしてるんですけど、基本は真面目だからいつも色々考えすぎちゃう癖があって。でもこれだけに関してはもう流れだけでいこうと思ったんです。一番考えた方がいい事なんだけど、勢いで飛び込んだ(首の“Leap”(飛び込む)という意味のタトゥーを指差す)。Beauty&Youthの後はメンズノンノに出させていただいて、それからもおかげさまで途切れず仕事を頂いて。今年の12月でモデルを始めて5年になります。

 

・今までの生活と全く違うモデルの生活はどうだった?

—一日の撮影が終わるとちゃんとカタチになってる。人間としてそれって結構気持ちのいいことだと思う。あと、ガキなのに大人にすごく大事な扱いをされるっていうのはやっぱり貴重ですよね。モデルって永遠と続けられる仕事じゃないと思うので、慣れちゃうと後々きついかなっていうのもあるんですけど。英語でいいことわざがあるんですよ。“Act like a man of thought, think like a man of action.”つまり、動くときは考える人のように動いた方がいい。考えるときは動いてる人のように考えた方がいい、いつもそうありたいと思ってます。

 

・もともとファッションへの興味はあった?

—トレンドっていう目線ではあまり意識はなかったけど、着てるもので気持ちも影響されるから、興味はあったんだと思います。最初のキッカケがなければモデルにはなっていなかったと思うけど。でも、もしあの時声を掛けられなかったらっていう道はあまり考えないですね。スカウトしてくれたスタイリストの石井さんに感謝してるので。

 

・表現、表現すること

—モデル初心者の頃には自分が一番イケてると思う角度や表情を自分なりに決めてたんですけど、なかなかそれがセレクトされなかったんです。でもある時二つの道に気付くときがあって。一つは出す範囲を狭めて、自分が好きな表情を選んでもらいやすいようにする。もう一つは全部出した上で、その中からセレクトされるものを楽しみにする。そのうちに自分のこの表情やポージングが人にきちんと伝わってるんだって知ることができたんですよ。でも最近の自分の表情や写りを見ても、やっぱり計算してやってるとミラクルは起こりにくくなるなって。へたくそに戻って、そのへたくそになった自分から、奇跡の表情だったり奇跡の瞬間が起こる可能性があるんですよね。計算してやってたら、本当に魅力のある表情だったり動きはなかなか出せないから、9回外しても30回外しても、一枚ミラクルないい写真があがるようにしたいですね。

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©CHASSEUR MAGAZINE

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©EVISU

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©FACTOTUM

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©MISSONI  photo by kazou ohishi

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・モデルと全く逆の立場、写真や映像を撮ったりもしているようですが

—写真を撮ってる時の自分は、モデルの自分とはまた別で。実は写真を撮ってる時の方が本当の自分に近いんだと思います。モデルの時は、きっとスイッチがあって、モデルは自分から見てもまた違う生き物だから。モデルとしての自分がもしカメラを握ってる自分に撮られることがあるとしたら、多分気に入らないと思う!なかなかシャッター切らないから、こいつめんどくさいなと思うかもしれない(笑)一緒に仕事はしたくないかも。

 

・モデルをやってるからこそ撮れること?

—シャッターを切ってるときの話ってすごく大事。ニュアンスを狙う撮影だと、モデルは心から表現するからあまり細かい指示を出さないほうがいいと思っていて。そこは自分がモデルをやっているから分かることなのかもしれないけど、ニュアンスが欲しい撮影になると、10のうち1あるかないかっていう世界になるから。「この人何考えてるんだろう」って考えてくれる表情って一番見てて面白くて、それって表情と表情の間の瞬間なんですけど、狙ってなかなか出せるものじゃないじゃないですか。だから僕の場合はひたすら待つか、どうにかそういう雰囲気にする。めっちゃ英語でしゃべってみたりもしますね(笑)。

 

・カメラなどへのこだわりは?

—今はデジタルで撮ってます。でもフィルムはハイライトから色になるグラデーションが個人的にやわらかくて好きですよ!フィルムは同じ白でもあるところは白、あるところは薄い茶色っていう無限色から色が出てくるから、デジタルでは絶対出ない色があると思うんです。フィルムカメラってカメラワークの幅が狭まっちゃうから、どうしてもデジタルの動画と混ぜなきゃいけないんですよね。それを混ぜるためにカメラのセンサーを使って、1フィルターでフィルムの色と同じ様に見せることが出来る動画編集ソフトのプラグインが出たんです。CANON 5Dとかで撮ってもフィルムカメラで撮った味がだせる。本当に忠実で、もはや変わらない。動画も最近、画質が良いから、これからはファッションの撮影とかも動画で撮って、その中の1フレームを使うとかになるかも知れないですね。最近スティーヴン・マイゼルとかもレッドで撮ってるんですよ。

 

・作品を撮るにあたってインスピレーションを受けてるものは?

—ないようにしています。何かを意識して撮ったら、ある意味では成長するかもしれないけど、その人を超えることは絶対できないから“風”になってしまう。あと写真って、たとえ同じスタジオで同じモデルで同じ服装で撮ったとしても、同じ瞬間には撮れないから、撮ってる人間も違うとやっぱり違うと思うんです。だからこそ写真って素晴らしいなって。フォトグラファーって世の中を切り取ってる。だからもう自分を信じるしかないんですよね。何が正しいっていうことがないから、誰かを意識して撮るというよりは、目の前にいる存在をできるだけ活かすことを考えてるかな。考えぬいていい写真が撮れるようになるって絶対ないと思うから、写真もうまくなっちゃだめ、ずっと下手な気分で全然わからない状態から、自分が好きな物を試行錯誤しながら撮るのがいいと思ってます。この感じでいけばいいだろうっていうやり方だと前撮ったのを絶対超えられない。モデルもそうだけど、何事も”うまく”なりすぎちゃいけないんじゃないかな〜と思います。

 

・最近の興味はどちらかというと写真よりも映像?

—そうなんです。最近ちょいちょい仕事させてもらってます。映像のLOOK BOOKだったりweb CMをやったり。もう最近興味あることって言ったら映像だけ。あとは野球(笑)小さいときはサッカー部だったんですけど、何で野球かっていうのは簡単で、昔バリバリにやってた時にくらべて今はタバコも吸ってるし、絶対昔の動きは出来ないから。でも逆に野球って初心者だから比べようがないんで(笑)ユニフォームまで揃えてちゃんとやってます。

 

・なんだか想像していたモデルの休日とは違って親近感が沸きます(笑)

—モデルっていっても、普通なんですよ。Instagramもやってるけど、撮影の写真とかパーティーの写真ばっかりだと、それだけを見る人たちは「この人たちすごい贅沢な生活してるな〜」って思っちゃうじゃないですか。実際パーティーだって面白くない時もあるし、もちろん毎晩パーティーではないし、撮影も一日長いから。たまに「自分の写真あげてください」ってファン人達からのリクエストはあるけど、僕の場合は普通ですよって(笑)。例えば高いフランス料理屋さんに行っても一緒に行く相手がつまらなかったら、仲間たちと下町の居酒屋で過ごしてる方がよっぽど楽しいし、プラスにもなる。そういう意味では“普通”でいいと思うんです。いいだろう?っていうアピールはしなくてもいいかなって。全然イケてないなあって思われちゃうかもしれないけど(笑)。

 

・今後の活動について

—映画が一本撮れたらいいなって。今はそれだけですね。撮りたいというか、撮れるかどうかを知りたいですね。脚本は今初めて書いていて、編集までやるつもりなんです。まわりの友達に聞いたらきっとみんな「Senは映画の話しかしない」って言うと思う(笑)だいぶ前からずっとそうなんですよね。映画、楽しみにしててください!

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PHOTO_Ena Kitamura

 

■BE NATURAL

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