”意味を解く”ファッションの楽しみ

2015年を振り返る、なんてベタをことをしたくなる仕事納め。みなさんいかがお過ごしですか?

 

今年新たに出会った人・別れを告げた人、手に入れた物・手放した物、傷つけられた跡・傷つけた罪悪感、見えてきたもの・見えないようにしたもの……。

“経験”の一言では言い尽くせないようなたくさんの出来事があった人も、代わり映えのない一年だっという人も、年末は穏やかな気分で自分に満足できているといいな。

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私自身は、NYから東京に来て一年目、今年を表す一文字は「耐」。

人生で計画通りに物事が進まなかったことなんて正直初めてで、理想とはうらはらに迫り来る現実はとても厳しいものでした。頭で理解できても心が理解できないことも多く、感覚よりも論理的思考を求める日本社会には少し疲れ気味。建前や礼儀で心のこもっていない言動をするのは性に合わず、不自由さ満点。

しかし同時に、苦しい時期にしか見えない景色もある、気付けないことものあるだと身に染みて感じています。

 

苦しいからこそ見つけられた自由な場所が、ファッションの世界。自分が自分でいることを許容され、受け入れられるような。

それまでただキラキラしていて着飾る楽しみしか知らなかったけれど。”意味を解く”楽しみというファッションの真髄に触れた気がします。

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たった数分のランウェイのために多くの人の時間が費やされ、信じられないような額のお金が動くコレクション。リアルタイムで映像を観られる現代であっても、わざわざ足を運ぶ贅沢こそ最高のラグジュアリーかもしれません。

世界中からバイヤーやジャーナリストが集結するのは、ただ着たい洋服を見に行くためではなく、作り手の顔を見て今何を感じ何を伝え何を残したいのか。たくさんの人の手が加わって仕上がる一瞬のショーのエネルギーを感じたいのです。

見るというより、体験するという感覚の方が近いかも。

 

一つの空間に身を委ね、全神経を尖らせて感じ取ろうとする瞬間に、溜め込んでいたアドレナリンが大放出し呼吸さえも忘れてしまう。魂を揺さぶられる瞬間、人生であと何度出会えるのでしょう。

もしかするとそんな瞬間出会うことなく死んでいく人もいるかもしれませんね。

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ファッションの新たな魅力にはまった私は、聖地でもあるParisへ移り住むことに。年明けすぐには日本を発ちます。そして1月は早速、メンズコレクション!

 

何が正解か間違いか、答えが無いのがファッションやアートの楽しみですが、肌に合うものと合わないものがあるのは事実。自分にとって美の感覚が最も近く、もっと知りたいと思わせてくれるのがParisから創造される美しさだったのです。

わがままに好き嫌いを選り好むことも時には必要なはず。好きなものさえ見つけられずに責任なんて取りようもない。情熱をを持てて、何かを妥協してでも身を置きたい場所を自分で掴み取るのに必要なのは勇気ではなく覚悟。

 

コレクション取材はもちろん、才能あるデザイナーやクリエイターへの取材を通して、人生の楽しみを多くの人と共有できれば、というのが切なる願い。

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RETOY’S編集長のEnaさんには、自由に書けるこの居場所を与えてもらい、とても感謝しています。

完全に独断と偏見な内容ですが。どうか来年も、お付き合い下さい。

 

 

With Love,

ELIE