編集長Enaの"今、あの人に会いたい!"「マリエ&浦浜アリサ」今だからこそ話せる彼女たちのストーリーは全ての女子に捧げたい♡ストレスや摂食障害、その先に辿り着いた自分を愛するということ。アリサが新たに挑戦するワークショッププロジェクト"FiORINA"は、そんな自分の体験から生まれた。

久しぶりの開催となりました編集長Enaの”今、あの人に会いたい!”コーナー。今回は特別編として、PMDデザイナー、モデルとして活動するマリエさん、そしてモデル、 DJとしてはもちろん、FiORINA(フィオリーナ)というモデルを目指す、そして美しさを追求したい女性へのワークショップをスタートする浦浜アリサさんと語ります。彼女たちのモデルを始めたばかりの若い頃の話しや悩み、どう歩んできたのか、そしてこれから彼女たちの描く未来、若い子たちへの想いなど、熱く楽しい女子トークを美味しいご飯とともに繰り広げております♪

Alisa(A):お会いしたかったです~!

Marie(M):こちらこそだよ~!

A:コロナ禍でライフスタイルがフォーカスされ始めてから、サスティナブルという言葉を耳にすることも増えてきて、マリエちゃんのブランドのことを考えていたの。
社会全体にサスティナブルが浸透してきて、時代がマリエちゃんに追いついた!って思ってます。

M:言い過ぎです(笑)

A:お世辞じゃなくて本気で思ってる。
自分がコスメや食材を買う時も「これを選んだら自分はハッピーだけど、他の誰かにとって良い結果をもたらすかな?」って考えるようになった。
マリエちゃんが今この時代にブレずに考えていることや、逆に変化したことって何があるのかなって思って、会ってお話を聞きたい!とEnaさんにお願いしたんです。

M:嬉しい~!会いたいって言われること、あんまりないからドキドキしちゃった(笑)

Ena(E):二人って結構現場でも顔を合わせてたの?

M:当時三ヵ月に一度くらいはファッションショーで一緒だったね。一番がっつり喋ったのはN.Y.でのパーティの時かな?

A:その時の景色が今も鮮明に残ってる。
あの時にマリエちゃんが、SelfLove=自分を愛することを語ってくれたこと、忘れない。
今だから言えるんだけど、その時、軽度の摂食障害だったのね。だからマリエちゃんの言葉がすごく刺さった。「人から与えられる評価の中で動くんじゃなくて、自分基準で生きていかないと壊れるよ」って言われて「私、今まさにそれだ」って。

E:そういう話しも含めて、今新しくアリサがやりだしたことに繋がってるんだよね?

M:何を始めるの?

A:モデルとして活動したい子たちに知識やスキルを教えてあげられる場所を新しく作ったんです。
※浦浜アリサがトレーナーを務めるワークショッププロジェクト「FiORINA(https://www.fiorinajapan.com/)」
モデルになりたい子がとりあえず事務所に所属して、オーディションに行って落とされてっていうサイクルを続けていると、人格否定をされてるみたいでメンタルやられるじゃない?入口としての知識はあった方が現場に行った時に力を発揮できるはずだと感じていたので、まずプロになりたい子たちのために、プロコースを作りました。
そしてこの考え方って、一般の女性が例えば「ヒールを正しく履きたい」「自分を好きになりたい」っていう気持ちを応援することもできるんじゃないかなと思って一般の女性向けのコースもやることにしたんです。

M:素晴らしいじゃないですか。

A:姿勢ってすごく性格出ると思わない?猫背の人に明るい人っていないなと思うし、年齢を重ねるとそのうち姿勢の悪さが体の不調にも関係してくると思うのね。
そういうちょっとしたサポートもできる立場になりたいなと思って。

E:体験する人たちの、何かを考えるきっかけにもなるかもしれないね。

A:そうですね。自己肯定感をアップさせる気づきにもなるといいな。
元々、自分が引退したらモデルの発掘と育成をやりたいなと思っていたんです。
去年の今くらいに親しい人から「それ、現役のうちにやらないと意味ないよ」って言われた言葉が刺さって。その後、悶々としてたら自粛期間になっちゃったんだけど、その言葉がずっと頭に残ってるってことは「やれ!」てことなんだ!と思って、急速に始まった感じ。

M:テスラ(電気自動車)の共同創設者のイーロン・マスクが、一般の人からの「あなたみたいに会社を作って稼ぎたいけどどうすればいいか」っていう質問にこう答えていたの。
「稼ぎたいと思って会社を立ち上げるなら君は成功しない。“自分にはこうするしかなかったんだ”という自然の流れが成功者の人生のスタートなんだ」って。
それを聞いて、ほんとそうだなって思ったし感動したんだよね。会社を作るって「社長になりたいから」とかじゃなくてもっとたくさんの想いがあるよね。

A:そんな生半可なもんじゃないしね。

 

M:私、5、6年前は全然仲間がいなかったの。
私が市販の生理用品を使うのを止めたのは8年前なんだけど、「こんな理由があるからタンポンなんて使っちゃだめ!」「ダイエットピルなんて止めた方がいいよ!」って周囲に言っても、みんな平気で使ってるから「もー!なんで!」って思ってた。
「マリエはストイックすぎるんだよねー」みたいに言われて、孤独だった。

A:わかる!オーガニック系の人と思われるんだよね。私も生理用品は3年くらい前に一掃した。オーガニックコットンの重要性とデリケートゾーンについて詳しく知ると、これは啓蒙するべきだって思った。

M:どうしてみんなわかってくれないんだろう?って思ってたけど、海外に行くと考えが似てる人が多くてすごく楽だった。「最近どんな活動してるの?」って、自分たちの話するのが楽しくて。
だからずっと日本って嫌だったのね。一人ぼっちで寂しくて。
でも最近は私みたいな考え方に対する仲間がどんどん増えていて嬉しいし、そういう世の中になってきたのがハッピー。私なんかが何もしなくてもみんなが色んな活動を始めてて、これからさらに広がるだろうしワクワクする。

A:マリエちゃんは先陣切って今まで進んできたからこそ、今そういう活動を始めた人で頼りたい人たくさんいると思う。忘れられないのが昔話してたレザーの話。あれ3日くらい引きずった。

M:こないだニュースで見たけど、エルメスがきのこ由来の人工レザーを使うんだって。

A:みんな気づきが当たり前になってきてるんだね。

M:企業は何か活動しないと叩かれちゃうから、今までのも使うけどこっち系も出しますってことだと思う。

E:顧客もいるし、100%は難しいよね。
でも何もやってないと逆にそれが叩かれるし難しい所。企業が活動していくことでちょっとずつ世の中にも気づきが出てくると思う。今は若い世代の方が受け入れるのが早いよね。
年齢重ねてると、長年やってきたことを変えられない人も多いから。

A:「世の中の問題は次の世代に任せまーす」みたいなね。任された私たちの世代がやっていくべきことなのかなと思うから批判はする気はないけど、課された宿題をどうこなしていくか考えることはある。

M:私なんて今の60~70代の大人にガンガン思っちゃうけどな。「生き逃げしてんじゃねーよ」って(笑)
残りわずかな命だからって責任感ないなーって思う。

E:高度経済成長期の世代だもんね。なんでもありでこの世界を作ってきて、バブル時代も通ってるし、サスティナブルなんて考えたこともなかったと思う。
でも私も、正直そういうことがナチュラルに考えられるようになったのはマリエちゃんがきっかけ。

A:マリエさん、ご自身が思ってるよりみんなが影響受けてますよ!

M:そんなことない~(笑)、今日もチームの子に「マリエさん、またフォロワー数減ってますよ」って言われたばっかりなのに(笑)

A:あ、それでいうと、数字で判断される時代じゃなくなってきたのも楽になってきたな。
フォロワー数やいいね数に囚われていた時もあったけど、結局自分が表現するフィールドなんだから自分が楽しくあるべきだと思って。そこから今、SNSが楽しい。
嘘はバレる時代だから、お金のためだけにインスタやってる人たちって見てすぐわかる。月曜にシャンプーアップして、木曜に別のシャンプーをアップして。それは不誠実だよね。

E:お金だけなのかな〜。彼らにいいね数が多くても、それは「商品をアップするだけでお金をもらえてる」ことに対するいいね、なのかもしれないよね。

A:お仕事で投稿案件も頂くけど、ご縁があるブランドだったり、企業理念に賛同したり、制度が魅力的と思った所しかお受けしないようにしてる。
あと、商品に関しては最低でも一週間、使用期間をもらうようにして、必ず自分の言葉で説明する。そうじゃないと嘘になっちゃうから。そういう仕事の仕方が最近評価されるようになってきたので、堅実にやってきて良かったなと思う。

M:すてき。

A:SNS嫌いで辞めたいことも多かったけど、向き合い方次第で嫌いが好きになることってたくさんあるなって感じた。

 

M:アリサちゃんの新しく始めた活動はどういう風になっていくの?

A:具体的な目標としては、私一人じゃなくアベンジャーズ的にモデルを集めて「あそこに行けば最先端の教育が受けられる」みたいな場所にしたい。講師も増やしていきたいな。

M:この間、昔現場でよく一緒だったモデル友達たちに会ったの。
あの頃のモデルが一周回って30代になって、みんな結婚したり子ども産まれたりって道を通って、再会するとみんな良い意味で力が抜けてた。

A:憑き物が落ちたみたいな?

M:そんな感じ。「できることがあったらお互い協力しよ!」みたいな。
私の場所=コンフォートゾーンに入ってこないで!って言う人がこの世代にはあんまりいない気がする。

E:若い頃、摂食障害に代表されるような心の問題や自分の内面についてモデル同士で話すことってあった?

M:あの頃は、自分の中に何が起きてるかっていうのはシェアしなかったかな。でも嫌いあっているわけでもなくて。

A:私はモデル同士で競い合ってたから、周りにバレたらどうなるかっていう綱渡りで生きてた気がする。

M:私は “バラエティに出てる自分”と“憧れの自分”とのギャップに苦しんでた時代で。
摂食障害に関してはかなり末期の状態で、10年間くらい病気から離れられなかった。
「ちょっと痩せるために吐いてみた」みたいなレベルじゃなくて、自分の感情ではもうコントロールできなくなってたし、お酒は飲むしたばこも吸うし、毎日30錠くらい薬飲んで、人とも話せなくなって。子宮の数値も悪くなって、23歳の時に「もうこのままじゃ子供できませんよ」って言われて、このままじゃ自分が壊れちゃうと思って日本での活動をストップしてN.Y.に行ったんだよね。

E:23歳だったんだね。

M:あの頃はずっと、自分が馬鹿にされている気がしてたな。冨永愛さんみたいなカッコ良い人も同じモデルなのに、自分はバラエティの笑い者。
本当はカルチャーやアングラや音楽が大好きなのに。多分バラエティに合わなかったんだと思う。
極端なこと言うと、坂本龍一さん=有名で、当時のマリエもタレントとしては有名だったわけ。でも私は坂本龍一さんみたいなカッコいい方の有名な人になりたかったんだけど、スキルもないしどうあがいてもそっちには行けず。

E:一般的に思う、アーティストとタレントの格差というか?

M:そうだね。今の自分になれたのは自分の病気が最後のタイミングだった。
26歳の時にN.Y.で大学卒業して、「私、これから何やって生きていこう」って思ったのね。
その時「自分と同じように辛い思いをしてる人を助けてあげなきゃいけない」って感じて会社を立ち上げたの。

E:なぜそこで会社だったの?

M:日本のタレントシステムを知ってぞっとしたっていうのもある。
スポンサーがいないと芸能事務所も生きていけないし、お酒のCMをやりたいから本当はお酒飲まないのにそれを隠してる子がいたり、実際はオーガニックな生活をしてるのに、普段は食べもしないお菓子や飲料の広告を受けたり。
私も当時はマネージャーに「そういうことは言うな」と言われてた。
で、大人になって「これはやばい」って思った。「こんなresponsibility=責任感のないタレントばっかりで、日本の女の子たち、どうなっちゃうの?」って。
だから、自分の好きなファッションでお金を稼げるようになったら、別にスポンサーを見つけなくてもご飯は食べていけるんじゃないかと思って会社を立ち上げたの。

A:なるほど。

M:きっかけはやっぱり自分が経験した大きな挫折から。仮にあんな経験しなくてもいい人生だったらしたくなかったし、もし同じように辛い思いをしてる子がいるなら私にしか助けられないと思ったんだよね。
だって、日本中どこの病院行っても私の病気は誰も治してくれなかったから。
結局自分で答えを見出さなきゃいけなかった。

A:私の摂食障害は病院に行くほどではない軽度のものだったけど、でも間違いなくその道を辿っているなという認識があった。
インスタライブの質問コーナーで「摂食障害で悩んでいます。どうしたらいいですか」ってくるんです。
こんな所で2、3秒で話せることじゃないんだけどなって思った所から、「経験した人でしか話せないことがあるんだ。私にも誰かを救えることがあるのかもしれない」って思ったの。だからきっかけはマリエちゃんと同じかも。
会社員の人は健康診断ってやるでしょ?なんでフィジカルしかやらないんだろうね?精神科の項目は?っていつも思う。

E:日本の文化的に、「これって病気って言っていいの?」という部分はあるよね。
メンタルに関することや生理の話を口にすることがタブーみたいな文化。

A:精神科に行くっていうワードだけでヤバい人ってなっちゃう。でも身体は風邪ひくし心なんて最たるものではって思う。
カウンセリングに行くことが歯医者さんに行く、くらいの感覚になってほしいな。むし歯ができたら行くし定期検診も行くしみたいに、気軽に行ける場所。

E:家族や友達とも違って、お医者さんみたいに少し距離のある人に話せることで楽になれるといいよね。

A:薬で治療することが必要なシーンもあると思うけど、お医者さんに「一回会社休んで光浴びてご飯食べて寝ましょう!」って言われるだけで説得力あるじゃん。
骨折してる子に「マラソン大会頑張って!」なんて言わないのに、心が弱ってる人に「気の持ちようだよ!」というのはすごく残酷。目に見えない傷をもっとちゃんと受け止めるべきなんだろうな。

E:言葉のパワーってとても残酷な時があって、身体を傷つけられるより辛い。そこの部分をもうちょっと声高に言わなきゃいけない世界なんじゃないのかなと思うけど、今のジェンダー問題でも日本がこんなに叩かれるのはそこなのかなって。

M:ほんと笑っちゃうよね、ニュース見ても。「ウケる、このおじさんたち」って。

 

A:“やりたいことを追求する”のか“できることを追求する”のかで悩む人って結構いると思う。そういう重めの質問もインスタで多くて。

E:アリサなら聞いてくれそうって思うんじゃない?答えをくれるかもって。

A:適度に距離もあるからなのかな。でも難しいよね、結局決めるのはあなただからあなたの心地良い方でって思うけど、そこの乖離で苦しんでる人は多いと思う。
表に出るような職業は特に、着ぐるみを着て演じなきゃいけない時もある。それに耐えられるメンタルの人って正直多くないし、いつか爆発すると思う。

M:そう言えばコロナ禍の前に久しぶりにテレビに出たの、これで洋服一枚でも売れたら良いなと思って(笑)
そしたらさ、ものすごいやらせでびっくりした。私がいた時代のバラエティよりも遥かにやらせになってた。

A:ええ!

M:「洋服の売り上げがないのでテレビでまたレギュラーください!」って台本渡されて「絶対言いません!!」ってスーパー断った。うちの洋服買ってくれてる子たちに失礼でしょ!どういうつもりなの?って思ったし。
だからこっちから「30代でまだシングルなんでこの番組見て好きって思ってくれた人、DMください!」ってこっちから提案したの。百歩譲って言ったのに、そのセリフばっさりカット!(笑)二度とそのテレビ出ないと思った(笑)

E:それを見て誰が面白いと思うのかなぁ。誰がハッピーになるの?

A:今は視聴者が見るものを選ぶ時代だって痛感してる。昔は与えられる情報が全てだと思っちゃってたから疑いもしなかったけどね。

E:選択肢が広くなったことで、テレビである必要が無くなったよね。テレビでしか見られないもの、に制作側はこだわって作っているのだと思うけど、今のテレビが面白くないのはなぜなんだろう?

A:見る側が進化してるからだと思う。賢くなっちゃってるもん。
もう嘘はばれてるのにね。だからみんなテレビから離れていくんじゃない?

E:今は情報が多すぎて、消化できていない部分が多い。昔は情報が少なかったから、与えられたものが正解なんだって思えたけど、今は色んな意見がありすぎて、自分の意見と合致する場所がどこなのかってわからない子もいっぱいいると思うな。

 

M:今、「ファッションってこんなにも難しいものだったかな?」ってすごく思ってる。おしゃれって一体何なんだろう?ってたまに考えるし。

A:以前は「流行ってます、だから着てます、以上」だったけど、今何かを買う時って「かっこいいね、それでプラスなに?」ってもう一つオプションが求められるような気がする。

E:何かその人らしさだったり、背景だったり、ライフスタイルやバックグランドが反映されていないと魅力を感じないかもね。

M:それでいうとN.Y.から日本に戻ってきて思ったのは、「日本には世界で一番ファッションの自由がある!」ってこと。
だって、今日花柄で、明日ヒッピーで、次の日ロックですってスタイル、アメリカだったら「お前、アイデンティティないの?」って言われちゃうわけ。
そこまでファッション=アイデンティティ、つまり自分を表現するものなのね。

A:あれだけ自由な街って言われてるのに?

E:それだけ自分の芯を持ってないとファッションに負けちゃうんだろうね。

M:捉え方だと思うんだけど、LAからN.Y.に来た人がLAぽい格好してたら何か言われちゃうけど、日本では「これLAスタイル!」ってすごく自由じゃん。
どっちが良いとかじゃなくて、ファッション的にみると日本は色んなファッションが楽しめて自由で理解があるって思うよ。

A:原宿にいたら飽和状態で楽しいもんね。外国の方が原宿楽しいって言うのもそこかなって。チャレンジ精神も旺盛。似合う似合わないは別として、やってみたいっていう気持ちがある。

M:メイクオフする前に眉毛をやったことない形に描いてみたり、目の下にアイライン引いたりしてみるの。で、似合ってたら次の日出かける時にやってみる。
洋服もそうかなって。何でも着てみてチャレンジする楽しみがある。でも年齢重ねても変わらないっていう部分で言うと、私の心の中にはずっとパンクがあるんだよね。

A:年重ねても根は変わらない。私も結局、心の中はギャル(笑)
これが私なんだって開き直ってる。

E:この年齢だからこの服を着ちゃいけないとかないもんね。

A:人から与えられた幸せのものさしで生きるのを止めたらすごく楽になったかも。
「あなたにとっての幸せと、私のそれは違う」ってモチベーションになったら、みんなハッピーに過ごせるのにな。
今回私が作ったワークショップでも、絶対に守りたいのはその子の個性を消さないこと。みんなに同じマニュアルで教えて、同じようなモデルを作ったところで意味ないと思うから、その子自身のポテンシャルを引き出したい。

E:同じ歩き方でも個性を出すことが大事だよね。

A:修正するべきところはしたいけど、同じ目線に立って次のフィールドを目指したいし、そこから私も学んでいきたい。対等な立場でディスカッションできる場所にしたいな。

M:(FiORINA(フィオリーナ)のHPを見て)わぁ!綺麗なウェブサイト!素敵~!いつから?

A:今ちょうどレッスン生を募集中です。

E:習い事感覚でやる一般の方もいるだろうし、モデル目指してるけど何から始めていいかわからない子への良いきっかけにもなると思う。アリサみたいな現役モデルに話しも聞けるしね。

A:事務所に所属するまで見守ってあげたい。歌が上手かったら音楽の繋がりもある事務所に所属できるようにサポートするとか、最後まで責任を持って見届けたいな。

M:いいね、いいね。

 

A:この1、2年でファッション業界にも動きがあったじゃない?マリエちゃん的にはどう捉えてる?

M:最初に言ってたみたいにワクワクしてる。
私なんかがやらなくても確実に未来は良い方向に向かってる。
でも「世の中良くなってますよね、じゃあPMDいらないじゃん」じゃなくて「PMDも一緒になってこの流れを加速しよう!」って思ってる。
中国のファー会社の切れ端、いわゆるゴミを集めてバッグを作ったり、ジビエとして食べられる野生の動物の皮を使ってアイテムを作ったりしてるんだけど、そうやって私のブランドで捨てられる皮を何か違う形に変えてあげるっていうのが、今の私にできる動物への感謝の気持ちなのね。
色々やってるんだけど、それだけじゃ物足りなくなって、動物愛護をモットーにしてる某団体にコンタクトしてみたの。例えばこのアイテムを購入したら団体に寄付できるようなシステムを作ったりできないかなと思って。でも、まったく意見が合わなくて。

A:どういう面で?

M:彼らからすると、私がやってることそのものが理念として違うんだって。たとえゴミとして捨てられる皮だろうが、それを使って何かを作るっていうことが。

A:動物愛護の目線から?

M:そうそう。「マリエさんのやってることはよくわかるんですけど、考え方として違います。」と。
もちろん意見の相違はあるからそれは大丈夫なんだけど、「じゃあ、エコファーはどうですか?」と聞いたの。そうしたら「エコファーはOKです。」って言うのね。
「じゃあ、どうしてゴミで私が作ったファーバッグはダメなんですか?」って聞いたら「それはとっても可愛いじゃないですか」って。

A:ん?

M:「可愛いバッグを作られちゃうと、それを見た人が、やっぱりファー可愛い!欲しい!って思っちゃうからダメなんです。」って。
いやいや、待てと。エコファーも今かなり進化しててどこから見ても可愛いし肌触りも良いし、写真で見たら本物かどうかわからないよね。
それを私がエコファーですって言わずに着てインスタにアップしたら、見た人はファーだと思って「これ欲しい」って思いますよね、その辺はどうですか?って聞いたら無言。

A:だって厳密に言うとエコファーって石油から作られてますよね?

M:そうなの、環境に負荷がかかるポリエステルなの。
そこで、その団体の方達はその団体のことだけを考えた意見だなと思った。だから私の質問にも答えられないわけ。でも、私その日から「エコファー止めよう」って決めた。
私は私の理念で、これを曲げてくれる人が出てくるまでやり続けようと。

A:なるほど。

M:私が軍物の制服を解体して作ってるポーチがあるんだけど、今人気で売り上げも良いのね。でもそれを解体してくれる人が誰もいなかった。そんな事業が元々ないから。
だけど今ご縁があって、長野県の松本にある少年院の子どもたちが解体作業と縫製をやってくれることになったんだ。

A:そうなんだ。

M:なんで刑務所じゃなくて少年院を選んだのかって言うと、私もこんなんだから(笑)、一度失敗した人にもセカンドチャンスをあげられるようなそういう国民性になってほしいっていう一つのアクションでもあるのね。

A:今一つの失敗で人生終わりみたいになってるもんね。

M:本当にそう思う。海外だと一度失敗してまた復活するとか盛り上がるんだけど、日本にはまだそういう観点がないから。
「こういうのが作りたい!でもやってくれる人がいない!」っていう二つの問題にぶち当たって、じゃあそれをどう解決するかって頭を悩ます、おしゃれとはかけ離れた生活をしてる(笑)

A:(笑)

M:ファッションに関しても、プラスチックやら何やらでまだまだ問題は山積みなんだけど、それを解決していくプロセスを楽しんでいる気がする。
そうやって問題点をクリアしていって一つのアイテムが出来上がってきた時の瞬間は、パない!

A:パない(笑)

M:箱を開けた瞬間に、そのアイテムの向こう側が見えてくる。
シリアの難民キャンプの子たちにデザインしてもらったり、インドの子どもたちに刺繍してもらったり、少年院の子どもたちの作業が見えたり、開けた瞬間は感無量。
その喜びを感じたくてやってる感じ。
そしてそうやってできたアイテムを届けることでお客さんが喜んでくれると「もっともっとやりたい!」と思う。

A:今日久しぶりにお会いしたけど、会わない間にまた先に進まれてるなっていう印象を受けました。

M:進んでないよ~(笑)今日の記事読んだらスタッフの子に笑われちゃう!
いつも自宅に来てくれるんだけど「マリエさん、とりあえずお風呂入ってくださいね」とか言われてるんだから(笑)

E:でもそうやって下の子が言える環境って良いよね(笑)
最後に、アリサの新たなチャレンジ「FiORINA(フィオリーナ)」は現在(4/10まで)、2021年 第一期ワークショップの申し込みを受付中です!モデルを目指す女性も、きれいを目指したい女性たちへも!是非、浦浜アリサのメソッドを体感してみてほしい♪

 

対談後、すっかりプライベートなディナータイムへ突入し、まだまだ話しの尽きなかった私たち。今回、私たちに対談場所として素敵な空間をご提供してくれたお店は、代官山に佇む「MAISON ROSE」さん。どこか温かみのある空間は、私たちのロング対談で居心地の良さも折り紙付き。1FにあるレストランTHE ROSEさんで私たちがいただいた美味しいお料理も少しご紹介しますね♪

 

写真左:黒毛和牛と季節野菜の自家製ラザニア ¥1,540、海風椎茸と富士鶏の炭火焼シーザーサラダ ¥1,420
右:本日の鮮魚と大粒あさりのアロスト ハーブソース ¥1,640

写真右:黒毛和牛のビステッカ ¥3,980

 

 

 

代官山・旧山手通り沿いに佇む邸宅MAISON ROSE1階のダイニングスペース「THE ROSE

ゆったりと流れる時間、音楽、会話、食事を楽しめるイタリア料理店。モノトーンで統一された開放感のあるテラス。ミニマルなデザインながらもヴィンテージ&モダン、時代が交錯する小物に彩られた店内。

上品で繊細な雰囲気の中にどこかアットホームな温かみのある空間。

日本の四季、自然を感じる食材
生産者のこだわりや顔が見える食材
安心安全で体に優しい食材

日本の想いとイタリア料理の調理方法を合わせた、
最愛のHOME MADE DISHをMAISON ROSEの空間と共に是非お楽しみください♪

 

 

■MAISON ROSE  http://maisonrose.jp/

ADDRESS 東京都渋谷区鉢山町13-16

TEL 03-3464-1500 / MAIL info@maisonrose.jp

LUNCH 11:30-16:00
DINNER 18:00-23:00
(FOOD.LO. 22:00 / DRINK.LO. 22:30)



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